目からウロコのサックサク「ワッフル」 |
京都へ出張した際に、おみやげ代わりに購入したワッフルがとってもサクサクだったことに感動し、ワッフルメーカーを購入。それから、メーカーの取り扱い説明書に添付されているレシピを試してみたり、ネット上のレシピを試してみたものの、サクサク感を売りにしているレシピのわりには、イマイチ思ったようなものができない。
目標は京都駅構内のワッフル屋さんMannekenのワッフルに決めていたので、同じような食感を追求したい。バターを多めにしたり、砂糖でコーティングするイメージで焼き面に砂糖を加えたりもした。
若干の改善は認められたが、バターにしても砂糖にしても、鉄板へ与えるダメージが大きく、連続して焼こうとすると焦げの元になってしまう。
自宅でのサクサクワッフル作りを半ば諦めていたところ、沖縄のちんすこう(作り方はこちら)に出会った。ちんすこうはラード(代替品はショートニング)を使い、ほろほろ感のクッキー生地に仕上げることができる。
最初に興味をもったのは、ショートニング。しかしショートニングはマーガリン同様、液体状の植物性油脂に水素を添加して、人工的に作られる固形の油脂であり、水素を添加して固形にする過程で、トランス脂肪酸を生成すること、そしてこのトランス脂肪酸は心臓病やアレルギーなどの健康疾患の原因になる可能性が指摘されていることなどを鑑み、広く使うことには強い抵抗があった。
そこで次に適用を考えたのがラード。このラードを加えるとサクサク感がでるらしいこと。そして何より決定打になったのが、毎日新聞のネット記事。ワッフルの本場ベルギーでは、ブリュッセル、リエージュ、マリー・シスカの3種類の伝統的なワッフルレシピがあり、リエージュ・ワッフルでは、『バターの3分の1をラードで補う』
のが伝統的なレシピだという。なぁるほど、ラードを使うことは邪道かと思いきや、むしろ正統なレシピなんだ!!
「一度は手作りしてみたいおやつ!」 シリーズの紹介です | ||||||
白玉だんご | だんご | わらび餅 | きびだんご | えびせんべい | かりんとう | あめ |
キャンデー | ポテトチップス | 水あめ | スイートポテト | ラムネ菓子 | カルメ焼き | おはぎ |
ういろう | 水ようかん | タルト | フラン | チョコレート | スコーン | ワッフル |
カステラ | ロールケーキ | マロンクリーム | プリン | カップケーキ | ミルクレープ | スフレ |
ワッフル約2枚×3回分の基本的な材料(我が家はこの2倍の分量)
用途 | 材料 | |||
ワッフル | 薄力粉 125g | 砂糖 20g | ベーキングパウダ 小さじ1(4g) | 塩 2g |
ラード 10g | バター 20g | 卵 1個 | 牛乳 120cc | |
ホイップ用 | 生クリーム 60cc | 砂糖 10g | ||
※参考情報 ・バターを手作りするレシピはこちら ・小麦粉を調合するレシピはこちら ・砂糖を手作りするレシピはこちら |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【準備】
今回ワッフルをサックサクにしてくれる立役者のラードくんです。 |
|
2 | 薄力粉、砂糖、ベーキングパウダー、塩を計量します。 | |
3 | バターとラードを、2:1 の割合で用意し、電子レンジで20秒前後で溶かしておきます。
香りのバターとサクサク感を演出するラードのコラボレーションってなわけです。 |
|
4 | 【生地の用意】
ホイップ用の泡立て器などを使って均一になるまで混ぜ合わせます。 また、別のボウルに卵を割り込み、十分に溶いてから牛乳を加えておきます。 |
|
5 | 均一に混ぜ合わせた粉類に、卵を溶いで牛乳を加えたもの、バターとラードを溶かした油脂を加えます。 | |
6 | 生地がなめらかになるまで混ぜ合わせます。 | |
7 | 【トッピングの用意】
今回はトッピングに、洋梨のコンポートとホイップした生クリームを付け合わせることにしました。 写真の赤い鍋は、代官山の300円ショップで購入した内径9.5cmのミニミニ鍋です。 |
|
8 | ちょうど1個分の洋梨が入り、すき間に砂糖を加え、電子レンジで1分間の予熱後、オーブンで5分間加熱しました。しっかり洋梨のコンポートになっています。 | |
9 | 【ワッフルの焼き上げ】
ワッフルの型には、ていねいに油引きでうすく全体にサラダ油をひいておきます。 ここへワッフルの型1つあたり、ラードを小さじ1/2ずつ溶かしておきます。生地に練り込んだラードとこのラードが相まってサックサクの食感を生み出すわけです。 |
|
10 | ワッフルの生地を流し込みます。 | |
11 | 写真のワッフルメーカーVitantonio バラエティサンドベーカー VSW-450-W だと、2枚のワッフルが約4分で焼き上がります。 | |
12 | 焼き上がったワッフルは、網の上に並べることで、あら熱を取りがてら、余分な湿気をとばします。 | |
13 | 【トッピング】
生クリームをホイップしたものを添え、洋梨のコンポートを付け合わせてみました。 |
|
14 | 表面サックサク、中はもっちりのワッフルができあがりました。ぜひ一度お試しあれ。 |
ここでの「こつ」
※1 【立役者のラード】
このワッフルレシピに行き着くまで、冒頭の説明のとおり、バターや糖分でサクサク感を演出しようとしてきました。しかし、これらの食材で得られるサクサク感は、焦げの1歩手前の微妙なもので、連続できれいなワッフルを焼くようなコントロールができませんでした。
しかし、ラード(もしくはショートニング)を使うと、表面はサクサクで、中はしっとりのワッフルが焼けることがわかりました。とは言いつつ、ラードを使うことに「慣れ」ていないため、未だに抵抗感が拭いきれていないというのも本当です。中華のラーメンには入れても、ケーキにラードを入れるのか!?これははっきり言って、カルチャーショックにも似た感覚ですので、ぜひ学ぶより、慣れていく必要があるようです。
※2 【代替品はショートニング】
ショートニングは、マーガリン同様、液体状の植物性油脂に水素を添加して、人工的に作られる固形の油脂です。水素を添加して固形にする過程で、トランス脂肪酸を生成します。このトランス脂肪酸は心臓病やアレルギーなどの健康疾患の原因になる可能性が指摘されており、アメリカ合衆国や欧州では使用が規制されていますが、日本では規制が遅れているようです。(2011年11月現在)
なお、トランスファットフリーという、トランス脂肪酸の含有率が低い(100gあたり0.5g以下)ショートニングも販売されています。もしマーガリンの使用を控えておられる場合は、ショートニングも同じトランス脂肪酸を含む食品になりますので、これらが気になる方は探してみてはいかがでしょうか。
1点あらかじめ念頭に入れておきたいのは、「トランスファットフリー」と、あたかもトランス脂肪酸が全く混入していないかのような表現になっていますが、全くのフリーとは異なるようです。ウィキペディアを調べたところだと、100gあたり0.5g以下であれば、『フリーと表記できる』 とのことです。微妙な表現で申し訳ありませんが、トランス脂肪酸の含有率が低いだけで、含まないわけではないようです。ご注意を!
参考文献
・毎日新聞 さんの 世界食彩記 ワッフル ベルギー・ブリュッセル