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さとうきびから精製「砂糖」

 職場で海水から塩を作る研究中であることを話したら、銀座に沖縄県産品のお店 「銀座わしたショップ※1」 があり、そこで砂糖きびを扱っていることを教えてもらいました。やっぱり調味料シリーズで、醤油、塩、ときたら砂糖作りもレパートリーに加えなきゃ…。でも塩は計画だけで、まだなんだよなぁ。ここまできたら、ほとんど道楽です。

「料理には欠かすことができない調味料!」 シリーズの紹介です
味噌作り 醤油醸造 ウスターソース 照り焼きだれ 本醸造みりん
味噌作り 醤油作り ウスターソース テリヤキソース 本醸造味醂
砂糖 ポン酢 柚子胡椒 ごまラー油
さとうきびから砂糖作り 海水から塩 ポン酢 柚子胡椒 ごまラー油
オイスターソース 豆板醤 XO醤 ペペロンオイル タバスコ
オイスターソース 豆板醤 XO醤(エックスオージャン) ペペロンオイル タバスコ

砂糖大さじ6杯分の材料

さとうきび 30cm 6本
微粉末状態のブドウ糖など 微量

用意しておきたい器具

漬け物石 金槌 さらしの布
ミキサー ボール  

Let’s start!

作り方  
  【粉砕】

漬け物石などを台にして、節目を金槌のとがった部分でかち割ります※2。円周方向に6〜8等分になるように割れ目をいれればいいでしょう。

【さとうきびの皮をはぐ】

さとうきびの皮を剥きます。皮がついている部分を自分のお腹の側にもち、白い実の部分を外側になるようにもって、写真のように割ると、簡単に皮を剥ぐ※3 ことができます。ここいらで味見をしてもいいですね。砂糖きびは、自然なやさしい甘さです!!

【さとうきびを細かく折っておく】

3cm〜5cmくらいの長さに折っておき、ミキサーにいれます。一度にたくさん入れたり、あまり長いまま入れると、ミキサーは空回りしてしまいます。

【粉砕】

ミキサーの回し始めは 小刻みに「1秒回して、1秒止める」 ようにすると空回りせずにすみます。ミキサーで粉々に粉砕したさとうきびは、とっても甘くていい香りがします。

【圧搾】

粉砕したさとうきびをさらし布に入れて、糖分を含んだ汁を搾り取ります。かなりの力がいるので、大人の男性向きの作業です。一度搾り終わったら、ボールに入れて、100ccくらいの水を加え、かすをこね合わせてから2番しぼり、3番しぼりくらいまでは搾り取っておきましょう。

【不純物を沈殿させる】

約1時間静かにおき、2層に分かれたら上澄み液をボールにいれます。
 ※沈殿した部分も使いたければ2重にした油漉し紙でこせば※4 使えます。

【湯煎で加熱】

搾り汁を湯煎で加熱※5 し、余分な水分を蒸発させます。砂糖が焦げるのは160度以上ですが、湯煎だと100度にまでしか温度が上がらないため、焦げつかず、安心して作業を行うことができます。

【結晶化を促す糖を添加】

ある程度まで水分が蒸発すると、水飴のようになります。このようになったらブドウ糖やショ糖などの微粉末をほんのわずかでいいので、ぱらぱらと加えます。この微粉末が結晶化するときの核となり、結晶化が促進されます。

【結晶化しはじめ】

水分がなくなってくると表面が膜を張ったようにざらついてきます。表面のざらついた部分をスプーンでこそぎ取りながら、ボールにこすりつけていきます。残っている水分は底にたまってくるので、底がみえるまでずっと続けます。嫌になったころ、写真のように底が見えてくるはずです。

10 【空気に触れさせる】

ボールの底が見えてきたら※6、粘ってボールにへばりついている砂糖をスプーンの裏側でこするようにして攪拌します。わずかに残っている水分がとび、表面積が益々増えて乾燥していくため、みるみるうちに砂糖は粉っぽく変化していきます。感動の一瞬です。

11 おおさじ6杯の砂糖ができました
 ※といっても今回は半分量を電子レンジで焦がしたので、実際には大さじ3杯分になりました (^_^; 
 ※製品になっている砂糖は、この工程で得られる原料糖を海外から輸入し、再び砂糖液に戻してから精製して、糖蜜を分離させて、上白糖や三温糖に仕上げていきます。
     

ここでの「こつ」

※1 【銀座わしたショップ
 沖縄県のアンテナショップです。沖縄県の食料品や工芸品など、数々の物産を取りそろえています。今回のさとうきびは、30cmの3本パックで490円でした。単に砂糖つくりの体験をするだけなら、この1パックだけでも大丈夫です。

 銀座わしたショップの連絡先
  東京都中央区銀座1-3-9 実業之日本社銀座ビル1F TEL 03-3535-6991 http://www.washita.co.jp/

※2 【かち割ります
 さとうきびの皮は硬く、包丁では剥けませんでした。たとえ、節以外の部分が剥けても、節の部分でちぎれてしまい、うまく剥けませんでした。そこで節を金槌でかち割ったところ、手で剥くのに手頃な大きさになり、簡単に剥くことができました。

※3 【簡単に皮を剥ぐ
 さとうきびを二つ折りにすると、皮の部分だけが割れずにつながったまま残ります。この皮をもって引き裂くと、簡単に皮を剥ぐことができます。

※4 【油漉し紙でこせば
 油漉し紙の目が適当な細かさでした。コーヒーのペーパーフィルターでは、目詰まりし、作業がすすみませんでした。

※5 【湯煎で加熱
 電子レンジだと鍋に焦げ付かずに済むと思ってましたが、水分がなくなるとやっぱり焦げました。 (^_^;)  湯煎で気長にやることをお勧めします。

※6 【ボールの底が見えてきたら
 水分がなくなり粘性が高まってくると、ボールの底が見えてきます。こうなると、もうひといきです。家族を呼んで水飴が砂糖になる瞬間を観察しましょう。

※7 【砂糖ができました
 日本で購入できるしっとりとした上白糖は、欧米では市販されていないようです。上白糖は、サラサラとしたグラニュ糖(ショ糖 99.5%)の結晶の表面に、ショ糖を加水分解してできた転化糖(ブドウ糖と果糖)をふりかけたものです。 転化糖には保水効果があるため、しっとりとした砂糖に仕上げることができます。
 ただし、この転化糖を牛乳や卵などのアミノ酸を含むものといっしょに加熱すると、ホットケーキのようにうす茶色に色づく、 アミノカルボニル反応(メイラード反応)が起こります。このためうす茶色に着色して欲しくないときにはグラニュ糖を使い、 着色しても構わないときには上白糖を使うといった使い分けをするといいようです。


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