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発酵食品の納豆とは縁もゆかりもないよっ 「甘納豆」

 甘納豆は、ゆであげるまでに金時豆が吸っていた水分を、じっくりと時間をかけて蜜を介して吸い出し、その蜜を煮詰めることを2回繰り返し、計3回の蜜漬けを行いながら脱水します。

 砂糖を煮詰める度合いの見極めは、決して簡単なものではありませんが、蜜を煮たてるときに、最初から最後まで、通しでじっくりと見つめていると、泡の様子が変わるのが確認できます。もし、泡の様子を見極める自信がない場合は、湯煎を使えばちょっと時間がかかるものの、お湯は100度を超えることがないので失敗することはありません。
 では、昔ながらの甘納豆を手作りしてみましょう!

「一度は手作りしてみたいおやつ!」 シリーズの紹介です
白玉だんご だんご わらび餅 きびだんご えびせんべい かりんとう あめ
白玉粉 上新粉 かたくり粉 きびだんご えびせんべい かりんとう あめ
キャンデー ポテトチップス 水あめ スイートポテト ラムネ菓子 カルメ焼き おはぎ
キャンデー ポテトチップス 水あめ ラムネ菓子 カルメ焼き おはぎ
ういろう 水ようかん タルト フラン チョコレート スコーン シュークリーム
ういろう 水ようかん タルト フラン チョコレート スコーン シュークリーム
カステラ ロールケーキ マロンクリーム プリン カップケーキ ミルクレープ スフレ
カステラ ロールケーキ マロンクリーム(マロンペースト) プリン マグカップケーキ ミルクレープ スフレ

出来上がり分量 約250gの基本的な材料

金時豆 100g 砂糖(上白糖) 130g 塩 1g
グラニュー糖 15g    
※参考情報
  ・塩を手作りするレシピはこちら
  ・砂糖を手作りするレシピはこちら
  ・小麦粉を調合するレシピはこちら

Let’s start!

作り方 写真
【金時豆を準備する】  時間経過の一例 :金曜日 午後8時

 金時豆を洗います。

 金時豆は、洗ってから一晩(12時間以上)水に漬けておきます。なお、水を吸った金時豆は、2倍強に膨れ上がるので余裕のある容器を使うことと、たっぷりの水を入れておくことをお勧めします。

 冬場以外は、冷蔵庫などに入れ腐敗を防止しましょう。

 水を吸って膨らんだ金時豆。1枚前の写真と比べて、大きく膨らんでいることがわかります。
【ゆでる 1/3】 土曜日 午前10時

 たっぷりの水を用意し、強火で加熱します。沸騰後4〜5分間茹でます

 ゆで汁を捨てます。
【ゆでる 2/3】 土曜日 午前10時30分

 再び、新しい水を鍋に加え、強火で加熱します。沸騰後4〜5分間茹でます

 ゆで汁を捨てます。
【ゆでる 3/3】 土曜日 午前11時

 3回目は長時間ゆでるので、豆が鍋底に接触していると煮踊りしてしまい、煮くずれてしまいがちです。そこで、豆はざるに入れ、ざるといっしょに豆を煮ることで、豆が鍋底で煮踊りしないようにします。

 煮方はこれまでと同じで、たっぷりの水を用意し、強火で加熱します。沸騰後弱火にして、加熱時間は60分間です。

 豆がやわらかくなっていないようであれば、適宜延長します。

10  ざるを鍋から引き上げ、ゆで汁は捨てます。

 このざるに上げた状態で、30分間冷ましつつ、余分な水分が残らないように十分に水分を切っておきます

11 【甘味付け その1/3】 土曜日 午後1時

 砂糖の半量を加えます。

12  いったん均一になるように混ぜます。
13  残りの砂糖を全て加え、2時間置きます
14  2時間置いている途中、徐々に水分がでてきますので、スプーンなどを使って鍋の底から丁寧に糖分を行き渡らせます。

 くれぐれもかき混ぜることで、豆をつぶしてしまわないように…。

15  砂糖蜜をボウルに受けられるようにして、豆をざるに開けます。
16 【蜜を煮詰める】 土曜日 午後3時

 ボウルに受けた蜜を煮詰めます。

 煮詰めていると、水溶液状だった蜜が、次第に粘性を帯びてきて、泡の様子が変わってきます。後の工程を考えると、できるだけ水分は飛ばしきっておきたいところですが、度を過ぎるとフォンダンを通り越し、べっこう飴にたどり着いてしまうため、透明だった砂糖がうっすらと茶色になってしまいかねません。よって、頃合いを見計らって完了とします。

17  ぬれ布巾に鍋の底を当て、急冷します。

 ぬれ布巾を何度か交換すると、早く冷ますことが出来ます。

18 【甘味付け その2/3】 土曜日 午後3時30分

 煮詰めた蜜に、豆を戻します。

19  豆が崩れてしまわないよう、ていねいに、豆に蜜を行き渡らせます。

 この状態で一昼夜おきます。ここで時間を短縮するなど手抜きは厳禁です。随時、スプーンなどを使って鍋の底から丁寧に糖分を行き渡らせます。

20 【保存性を高めるための加熱】 日曜日 午後4時

 焦げ付かせないための工夫を考えてみました。項番22の工程で加熱する際は、蜜に水分が減ってくると、砂糖が白っぽく結晶化するフォンダンを通り越すと、茶色く色づくカラメルソースになってしまいかねません。
 そこで、
  1.湯煎にする ⇒ 時間はかかりますが、失敗することなく、確実に甘納豆を作ることができます。
  2.写真のような鉄板を一枚挟むことで、鍋を間接的に加熱する ⇒時間を短縮できますが、失敗の恐れがあります。
 以上のような対策が必要になります。どんな方法でも構いませんが、いずれにせよ炎が直接鍋にあたらないようにします。

21  今回は2の方法で、極弱火で加熱しました。

 極弱火の炎はいったん鉄のプレートにあたり、そのあと、遠赤外線となって、焼き網2枚を挟んで鍋に届くようになっています。

22  豆に十分に熱が行き渡るよう、30分以上、極弱火で加熱しているところです。
23  豆が十分に加熱できたら、極弱火のまま蓋を開け、10分ほど余分な水分をとばします。
24 【蜜を煮詰める】 日曜日 午後5時

 砂糖蜜をボウルに受けられるようにして、豆をざるに開けます。

25 【甘味付け その3/3】

 ボウルに受けた蜜を煮詰めます

 煮詰めた蜜に豆を戻し、30分置きます。写真の蜜は白っぽく結晶化(フォンダン化)しています。

26 【蜜を切る】 日曜日 午後6時

 豆をざるに上げ、余分な蜜を切ります。

27 【飾り用のグラニュー糖の添加】 日曜日 午後7時

 サラサラのグラニュー糖を加えますが、すでに表面が乾燥している場合は、グラニュー糖を加える必要はありません。

28 【完成】 日曜日 午後7時

 甘納豆の完成です。丁寧に水分を除いているので、時間が経っても水分が染み出してくることもありません。 

29  お茶受けにピッタリの甘納豆になりました。カブの浅漬けといっしょにどうぞ!
     

ここでの「こつ」

※1 【大きく膨らんでいる
 
ゆであがり後に計量した重量は、洗う前は100gだったものが、225gになっていました。

※2 やわらかくなっていないようであれば、適宜延長
 
甘納豆になったできあがりとしては、やわらかい豆の方が食感がいいのですが、やわらかすぎると、砂糖と混ぜる工程でへしゃげるものが増えます。自宅で食べるのですから、見栄えよりも食感重視ということで、お勧めは柔らかめです。

※3 【透明だった砂糖がうっすらと茶色
 
砂糖は加熱中の温度によって下表のように状態が変化します。今回のあめ作りでは、項番3.になるまえの約130度です。糖が焦げる温度まで近づくと、徐々に茶色に色づきはじめ、下表のようになります。

項番 温度 状態 用途
1. 60〜70度 泡が立ちはじめ、100前後で全体が煮立つ。 105度で煮詰めるとシロップ
2. 110〜120度 細かい泡がでます。 この温度で煮詰めて急冷するとフォンダン(白っぽくなります)
3. 150〜160度 全体が黄金色になります。 急冷するとべっこう飴
4. 180〜195度 焦げのにおいと、濃い茶色に着色 茶色に着色後、湯を少量加えるとプリンに使うカラメルソース

※4 【手抜きは厳禁
 最終的にグラニュー糖と混ぜ合わせたときに、豆の内部から水分が染み出してきて、乾いた状態の甘納豆を維持できなくなります。また冬場以外は、冷蔵庫などに入れ腐敗を防止しましょう。

※5 【白っぽく結晶化(フォンダン化)
 白っぽくなっていない場合は、大さじ1程度の砂糖を加えると、その砂糖の粒を核にして、一気に白っぽくなる場合があります。この段階で水っぽいと失敗しますので、しっかりと水分を蒸発させておきます。

参考文献
 1.安全な食べものネットワーク さんの 昔ながらお菓子屋の多い町 小樽の近藤製菓の甘納豆 
 2.カリフォルニアのばあさんブログ さんの 甘納豆

 


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