ビスキュイ生地のビスキュイとは、「Biscuit」=「Bis(二度)」+「Cuit(焼く)」という言葉に由来しており、転じてフランス語ではスポンジ生地のことを、英語ではビスケットを指すようになっています。スポンジ生地でいうビスキュイは、一般的に卵黄と卵白それぞれに砂糖を加えて泡立てる別立てで作られます。(別立てに対する言葉は全卵で作る共立てです。)
チョコレートを混ぜるケーキは、湯煎で溶かしたり、生クリームに加えたりとひと手間多くかかりますが、記念日などにちょっとした気合いを入れて作ってみてはいかがでしょう。今回参考にさせていただいたのは、ウィーンを代表する名店で修行を積んだと言われる横溝春雄シェフのレシピです。チョコレートを刻むところから、2時間半で完成させました。
ケーキ型 18cmの基本的な材料
Let’s start!
ビスキュイ用と、チョコレートクリーム用に量り分けたスィートチョコレートを刻んでおきます。
オーブンを焼く10分前に160度に予熱しておきます。
ビスキュイ用に刻んだスィートチョコレートとバターを合わせ、35度〜40度の湯煎にかけて溶かします。
1番大きなボウルにBの材料の卵の白身を入れ、2番目に大きなボウルにAの材料の黄身と砂糖を入れます。
電動の泡立て器であれば最初にBの材料の砂糖を計り入れ、なめらかなメレンゲに仕上がるまで10分以上泡立てます。 手動で泡立てるのであれば7部立てになってから砂糖を加えます。砂糖を加えると、グッと重くなるので、砂糖を後入れすることで、辛さを軽減できます。
時間になったら、串を刺して生焼け部分がないことを確認します。焼き上がっていれば、20cmくらいの高さからストンと落とし、焼き縮みを防止します。
4cm未満の場合や4等分のスライスが難しいようであれば、3等分でも構いません。
チョコレートクリーム用のスィートチョコレートを刻んだものに、沸騰直前まで温めた牛乳を加え、スィートチョコレートを完全に溶かします。
紅茶を熱湯で抽出します。
紅茶はアールグレイ指定ですが、なければ普通の紅茶で作り、砂糖を加えて溶かしておきます。
4等分もしくは3等分にスライスした生地の片面にハケを使って、紅茶シロップを置くようにぬります。
ここでの「こつ」
※1 【型紙をつけたまま】 型紙を外してしまうと、香りも飛びますし、生地の良さであるしっとりさがなくなってしまいます。型紙はつけたままあら熱をとります。
※2 【消えない状態になれば完了】 八分立てを越えてホイップしてしまうと、固くなりすぎ、塗り広げる際にきれいに拡がらなくなってしまいます。
※3 【チョコレートクリームを均等にぬり広げ】 ぬり拡げる際、ヘラを持ち上げるとケーキのクズが表面にでてくるので、ヘラは持ち上げることなく、横にスライドさせるように動かすといいようです。
参考文献 1.NHK 今日の料理 1997年2月号 P61 たのしい菓子づくり ウィーン風チョコレートケーキ 横溝 春雄(よこみぞ はるお)氏