アルコールストーブ「第4世代 火力調整モデル(お勧め)」 |
ガソリンストーブの轟音に疲れ、ふとしたときにアルコールストーブの噂を耳にしました。最初は、「あ〜っ、あのメラメラというか、ユラユラと燃えているのか、燃えていないのか存在感のないヤツね。」くらいの感じでしたが、いえいえ、そんなことはありません。真剣に燃焼させれば、そこそこの熱量もだせます。
団体料理とか、凝った料理を作ろうとして長時間燃焼させるとなると、燃費の悪さが気になってくる点は否めません。しかし、考えてもみてください。本当にいつもそこまで本格的な調理ができる重装備が必要でしょうか? ちょこっと1日山歩きする程度とか、サイクリングでポタリングする程度の使い方なら、燃費云々よりも、抜群に軽量になるアルコールストーブに軍配が上がること間違いなし。これは中々おもしろいゾ!!
アルミ缶の飲み口を使ってバーナー構造を作る方法(第3世代、第4世代共)は オリジナルかと思いきや、TETKさんのサイトにもありました。。。
用意する材料
項番 | 説明 | 用意するモノ |
1 | モンスターエナジー缶 1缶 | |
2 | ビールの135ml アルミ缶1缶 (直径が135mlアルミ缶と同じサイズのものはたくさんあり、 どれでも利用可能です) |
Let’s Go!
説明 | 画像 | |
1 | 完成品イメージです。今回はこれを作ります。第2世代第3世代までは、側面のシャープな立ち上がりが特徴的でしたが、この第4世代では、ジュース缶の飲み口を活用したことで、滑らかな曲線美が組み込まれ、内側に向かって吹き出すバーナー口が特徴となっています。 形状が非常にシンプルなため、調理後にバスタブ内にアルコールが残ってしまうような場合でも、ふつうに燃料ボトルに移し戻すことができるという遺伝子を引き継ぎます。 |
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2 | 【第4世代で必要となる材料】 アルミニウム製のモンスターエナジー缶 1缶と、135mlビール缶相当のアルミ缶(以降、「小さな缶」と呼称します。)1缶を用意します。 モンスターエナジー缶は、アルコールの燃料タンクとなる下パーツ、バーナー部を形作るフープ状のパーツとなり、 小さな缶は、内面で壁を形成する内側パーツ となります。 |
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3 | 【バーナー部パーツの作成 中心部の探索】 モンスターエナジー缶のプルトップを固定する円形パーツの中心がほぼ、缶の中心と一致していることを利用し、中心部分を押しピンなどで仮押しして凹みを作り、場所を確定します。 |
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4 | 【円形にカット】 先に求めたアルミ缶の中心点を使い、直径44mmの円形にカットします。 工具の紹介ページでおすすめしている「OLFA コンパスカッター57B」を使えばきれいな円形にカットできますが、普通のカッターで切れないわけではありません。いずれにしても、地道にキズをつけながら、100回転程度させる根気をもって作業します。 |
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5 | 【こじ開け】 カッターでキズをつけながら100回転程度を終えるころ、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。これが3箇所以上になる頃には、全周に渡って、均一なキズがついています。そこで、この「貫通穴」の内側ギリギリの部分に力をかけ、アルミ缶を裂いていきます。変形するようで無理っぽければ、さらにキズをつけます。 |
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6 | 【2つのパーツの切り離し】 まず1つ目 飲み口をコンパスカッターで開口した上パーツに相当する部分の加工としてキズを付けます。(すぐには切り離しません。切り離すと缶がやわらかくなり、次の項番7の作業に支障を来すためです) 電話帳やかまぼこ板などで高さを28mmにセットし、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付けます。地道にキズをつけながら、100回転程度させる根気をもって作業します。 100回転ほどするころには、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。 |
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7 | 次に2つ目 これまで作業していない下パーツに相当する部分の加工としてキズを付けます。 高さは、25mmにセットし、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付けます。 |
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8 | 【こじ開け】 上パーツ、下パーツへのキズ加工を終えた後、それぞれに対し「貫通穴」の内側ギリギリの部分に力をかけ、アルミ缶を裂いていきます。変形するようで無理っぽければ、さらにキズをつけます。 |
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9 | 【重ね合わせの下準備】 下パーツの上に上パーツを重ねますが、現状では同一直径のために、このまま重ねることは困難です。 そこで、下パーツをラジオペンチなどで、僅かずつ内側へ織り込むクセをつけます。織り込むクセは、上部から3mmくらいまでとします。 |
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10 | 【内側パーツの製作】 小さな缶を使い、内面で壁を形成する内側パーツを作ります。 缶の上部を全周に渡って、粗目のやすりで強く削ります。削っていくと、いきなりパカッと飲み口部分が落ち込んで外れます。 手で引っ張って外れるような取っても構いません。接着剤のようなものがネバーッと出たりします。 |
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11 | 切り取った面が上パーツに密着する加工の精度が燃焼させたときのバーナーの炎の美しさに影響します。 細かい目のやすりで滑らかに加工しておきます。 |
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12 | 【内側パーツの切り離し】 上パーツ、下パーツと同じ要領で、缶を倒立させ、内側パーツを高さ28mmでカットします。 |
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13 | 【襞】 内側パーツと下パーツの気密性を上げるために、内側パーツの下部4mm〜5mm深さにハサミを入れて襞をつくるための切込みを入れます。切込み数は、32程度が密着性が高いようです。 |
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14 | 【折り曲げ】 先ほど確認した傾きを維持しつつ、襞の部分を45度程度、内側に折り曲げます。 傾きを維持しながら折り曲げると重なりがでます。いったん折り曲げ終えてから若干元に戻せばできあがりです。重なりが順々に並べられていると文様のようにきれいに連なります。 |
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15 | 【用意したパーツ類】 上パーツや下パーツを切り離した、残りのアルミ缶の1つを使い、はさみで縦に「ほぼ切り分け」ます。 (最後の部分は堅いので、完全に切り分けなくて結構です) 次に、横方向にはさみを入れ、だいたい18mm幅の長方形となる帯パーツを5〜6枚ほど切り出します。 |
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16 | 【バーナーの穴をマーキング&ドリリング】 炎が噴き出るバーナー部をサインペンなどでマーキングします。マークする箇所は、上パーツの印刷されていない斜めの内側部分で、ほぼ飲み口の上端から2mm程度の箇所を目安にします。 上下左右に4箇所のマークをした後、各中間点をマークし、最終合計8箇所となります。(第1世代16箇所の半分です) マーキングした箇所を 「プロクソン ドリル10種セット No.28913」を使い、セットに含まれている0.8mmの極小ドリルで穴を貫通させます。ただし、貫通後、遊びがほとんどなく、反対側の壁があります。反対側の壁には穴を開けてしまわないよう、注意します。 |
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17 | 【用意したパーツ類】 手前左から 下パーツ、内側パーツ、上パーツ 奥側 帯パーツ |
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18 | 【重ね合わせた状態】 内側パーツを下パーツの中に入れ、帯パーツをその隙間に充填した状態で、上パーツを覆い被せる直前の状態です。 |
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19 | 上パーツを覆い被せ始めた初期状態です。 均等に押し込めるよう、注意しながら徐々に力を入れていきます。 |
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20 | 【重ね合わせの仕上げ】 内側パーツが上パーツに密着するように、軽く叩き込みます。 |
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21 | 【バリのスムージング】 本体をひっくり返し、バリが出ていないか確認します。バリがあれば金属棒や板の棒でも良いので、擦り付けて、スムージングしておき、怪我しないようにします。 |
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22 | 【火力調整の機構】 インサイドジェットのバーナーであること、そして飲み口を使った構造であることから、缶の飲み口を活用した「蓋」ができたり、「蓋」をちょっと加工して、開口率を変えることで、「火力調整が可能な蓋」のバリエーションを作ることができます。 加工の際は、第3世代の項番13 【【内側パーツの開口部】】工程を参考にできます。 |
ここでの「こつ」
※1 【ビールの135ml アルミ缶1缶】
ジュース類にもアルミニウム製でほぼ同サイズのものがありますので、使えないこともありませんが、できれば、135mlのアサヒスーパードライや、キリン一番搾り、淡麗生、サッポロ黒ビールが加工性が良かったように感じます。
※2 【重ね合わせた状態】
帯パーツは、それぞれの小さな隙間で毛細管現象による気化を促進させると共に、軽量すぎるために風で本体が飛ばされることを抑止します。
--------- 目次 ---------
1. | アルコールストーブのタイプ バリエーション | |
2. | 当サイトで製作するアルコールストーブをばっさり比較 | |
2-1. | 五徳は不要 | |
2-2. | 本燃焼までの早さ | |
2-3. | 火力調整が可能 | |
2-4. | 燃費の良い内炎式 | |
2-5. | 炎の形が際立っている | |
2-6. | 材料調達コスト | |
2-7. | アルコールの回収性 | |
2-8. | 絵柄が倒立していない | |
2-9. | 尖った部分がないこと | |
3. | アルコールストーブの作り方 | |
3-1. | 第1世代 ベーシックモデル | |
3-2. | 第2世代 毛細管現象を活用した高火力モデル )(TETKの徒然なるまま) | |
3-3. | 第3世代 オリジナル1 「製作コスト削減モデル」 | |
3-4. | 第4世代 オリジナル2 「火力調整モデル(お勧め)」 | |
4. | 五徳の作り方 | |
5. | 第4世代用 火力調整金具の作り方 | |
6. | アルコールストーブ四方山話 | |
6-1. | カッティングのカッターの刃の進行方向 | |
6-2. | 内側パーツ(中込パーツ、隔壁パーツ) | |
6-3. | 風防の検討、輻射熱の検討 | |
6-4. | 鍋敷き | |
6-5. | アルコールストーブ本体、コッヘル、風防のスタッキング | |
6-6. | アルコール運搬用ボトル | |
6-7. | 着火具 | |
7. | さぁ、アルコールストーブを使ってクッキングしよう! | |
7-1. | お湯を沸かして、カップヌードルタイム、コーヒータイム | |
7-2. | さぁ、おなかが減ったぞ 炊飯だ! |