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アルコールストーブ「第3世代 製作コスト削減モデル」

 警告 Caution!!

 この第3世代の加工には、特殊な缶切りを利用します。項番13をご覧ください。この形態の缶切りを工具として用意できない場合は、均一な加工が困難になり、目標とする性能を発揮できない恐れがあります。あらかじめご了承願います。


用意する材料

 項番 説明 用意するモノ 
 1  モンスターエナジー缶 1缶  
 2 135ml アルミ缶1缶
(直径が135mlアルミ缶と同じサイズのものはたくさんあり、
どれでも利用可能です)

  

 

Let’s Go!

説明 画像
 完成品イメージです。今回はこれを作ります。第2世代同様、側面のシャープな立ち上がりと、内側に向かって吹き出すバーナー口が特徴のストーブです。
 形状が非常にシンプルなため、調理後にバスタブ内にアルコールが残ってしまうような場合でも、ふつうに燃料ボトルに移し戻すことができるという遺伝子を引き継ぎます。
【第3世代で必要となる材料】

 アルミニウム製のモンスターエナジー缶 1缶と、135mlアルミ缶 1缶を用意します。
 モンスターエナジー缶は、アルコール容器となる下パーツ、バーナー部を形作るフープ状のパーツとなり、 135ml缶は、内面で壁を形成する内側パーツ となります。
【バーナー部パーツの作成 中心部の探索】

 モンスターエナジー缶のプルトップを固定する円形パーツの中心がほぼ、缶の中心と一致していることを利用し、中心部分を押しピンなどで仮押しして凹みを作り、場所を確定します。
【円形にカット】

 先に求めたアルミ缶の中心点を使い、直径44mmの円形にカットします。
 工具の紹介ページでおすすめしている「OLFA コンパスカッター57B」を使えばきれいな円形にカットできますが、普通のカッターで切れないわけではありません。いずれにしても、地道にキズをつけながら、100回転程度させる根気をもって作業します。
【こじ開け】

 カッターでキズをつけながら100回転程度を終えるころ、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。これが3箇所以上になる頃には、全周に渡って、均一なキズがついています。そこで、この「貫通穴」の内側ギリギリの部分に力をかけ、アルミ缶を裂いていきます。変形するようで無理っぽければ、さらにキズをつけます。
【切り裂き部の仕上げ】

 開口部となる切り裂き部をやすりで仕上げます。
 ここでは、粗仕上げのやすりを使い、1mm程残っているバリを外側(缶の真上方向)へ引っ張り上げるようにやすり掛けします。この仕上げ作業により、44mmで開けた穴は、47mm程度まで拡大します
 最後に細かい仕上げ用のやすり、そして、滑らかな丸い金属棒を使って最終研磨をしています。
【バーナーの穴をマーキング】

 仕上げた開口部に対し、炎が噴き出るバーナー部の内側に8等分の目安となるマーキングをサインペンで入れます。
 上下左右に4箇所のマークをした後、各中間点をマークし、最終合計8箇所となります。(第1世代16箇所の半分です)
【バーナーの穴を貫通】

 ドリル穴を開けるのは、先ほどサインペンでマーキングした部分ではありませんので、注意してください。マーキングした部分を目安にして、印刷面の斜めの箇所にドリル穴をあけます。もっと詳細には、ドリル穴を開ける部分は印刷面の斜めの部分で、開口部から離れた個所、つまり、ほぼ、まっすぐになる直近部分となります。
 「プロクソン ドリル10種セット No.28913」を使い、セットに含まれている0.8mmの極小ドリルで穴を貫通させます。
 
【2つのパーツの切り離し】

 まず1つ目
 これまで作業していない下パーツに相当する部分の加工としてキズを付けます。(すぐには切り離しません。切り離すと缶がやわらかくなり、項番10の作業に支障を来すためです)
 電話帳やかまぼこ板などで高さを38mmにセットし、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付けます。地道にキズをつけながら、100回転程度させる根気をもって作業します。
 100回転ほどするころには、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。
10  次に2つ目
 バーナーの穴を加工した上パーツに相当する部分の加工としてキズを付けます。
 高さは、11mmにセットし、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付けます。
11 【こじ開け 1】

 項番9で作業した下パーツを切り離します。
 「貫通穴」が3箇所以上になる頃には、全周に渡って、均一なキズがついています。そこで、この「貫通穴」の内側ギリギリの部分に力をかけ、アルミ缶を裂いていきます。変形するようで無理っぽければ、さらにキズをつけます。
12 【こじ開け 2】

 項番10で作業した上パーツを切り離します。
13 【内側パーツの開口部】

 モンスターエナジー缶よりも小ぶりな135mlビール缶相当の缶を加工します。以降、「小さな缶」と呼称します。
 円周方向に回転させながら使う缶切りを、通常の使い方から90度向きを変え、缶の側面に直角に刃が立つようにセットし、飲み口を切り離します。
 また、刃は飲み口ギリギリを直線で切ることに専念し、上下にずれたりしないよう、注意してください。ここの加工の精度が燃焼させたときのバーナーの炎の美しさに影響します
14 【内側パーツの切り離し】

 上パーツ、下パーツと同じ要領で、小さな缶を倒立させ、内側パーツとして高さ31mmでカットします。
15 【切り離した内側パーツ】

 写真の向きが重ね合わせるときの向きに一致します。
 上の開口部は、波打たずにきれいにカットできましたでしょうか。
16 【襞】

 内側パーツと下パーツの密着性を上げるために、内側パーツの下部4mm〜5mm深さにハサミを入れて襞をつくるための切込みを入れます。切込み数は、32程度が密着性が高いようです。
17 【折り曲げ】

 先ほど確認した傾きを維持しつつ、襞の部分を45度程度、内側に折り曲げます。
 傾きを維持しながら折り曲げると重なりがでます。その重なりがきれいに並ぶと文様のように連なります。
18 【用意したパーツ類】

 手前 バーナー部上パーツ
 奥側 下パーツ、内側パーツ
19 【重ね合わせた状態】

 内側パーツを下パーツの中に入れ、バーナー部を形作るフープ状のパーツを重ねる直前の状態です。
20 【フープを押し込む】

 バーナー部を形作るフープ状のパーツを下まで押し込みます。しっかり押し込み終えると、外周部の方が3mm程高くなっているので、せり上がりがでてきます。
 ここでは入念に押し込むようにします。密着性が低いと、気化したアルコールが漏れ、きれいな炎の形が崩れてしまいます。
21 【外周部の折込1】

 3mm程せりあがっている外周部を、徐々に全体的に内側へ織り込んでいきます。
22 【外周部の折込2】

 せりあがっている外周部を、さらに内側へ織り込んだ状態です。
23 【外周部の折込3】

 直角まで織り込んだ状態で、折り込みに凸凹がなくなるように、板等を使い上面が平になるように擦り付けます。
 さらに織り込み、最終的には、バーナー部を形作るフープ状のパーツに密着させます。
     

ここでの「こつ」

※1
ジュース類にもアルミニウム製でほぼ同サイズのものがありますので、使えないこともありませんが、できれば、135mlのアサヒスーパードライや、キリン一番搾り、淡麗生、サッポロ黒ビールが加工性が良かったように感じます。


--------- 目次 ---------

1. アルコールストーブのタイプ バリエーション
2. 当サイトで製作するアルコールストーブをばっさり比較
2-1. 五徳は不要
2-2. 本燃焼までの早さ
2-3. 火力調整が可能
2-4. 燃費の良い内炎式
2-5. 炎の形が際立っている
2-6. 材料調達コスト
2-7. アルコールの回収性
2-8. 絵柄が倒立していない
2-9. 尖った部分がないこと
3. アルコールストーブの作り方
3-1. 第1世代 ベーシックモデル 
3-2. 第2世代 毛細管現象を活用した高火力モデル )TETKの徒然なるまま
3-3. 第3世代 オリジナル1 「製作コスト削減モデル」
3-4. 第4世代 オリジナル2 「火力調整モデル(お勧め)」
4. 五徳の作り方
5. 第4世代用 火力調整金具の作り方
6. アルコールストーブ四方山話
6-1. カッティングのカッターの刃の進行方向
6-2. 内側パーツ(中込パーツ、隔壁パーツ)
6-3. 風防の検討、輻射熱の検討
6-4. 鍋敷き
6-5. アルコールストーブ本体、コッヘル、風防のスタッキング
6-6. アルコール運搬用ボトル
6-7. 着火具
7. さぁ、アルコールストーブを使ってクッキングしよう!
7-1. お湯を沸かして、カップヌードルタイム、コーヒータイム
7-2. さぁ、おなかが減ったぞ 炊飯だ!

 
 

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