アルミ缶から手作りするアルコールストーブ「第2世代 毛細現象フープストーブ」 |
ベーシックなアルコールストーブは、バーナーには炎が鍋の形に沿って出る外炎式と、内側に向かって出る内炎式に分けることができます。第1世代では外炎式でしたが、燃費を考えると内炎式の方が燃焼効率が高いことから、内炎式のバーナーを考えていたところ、You
Tube上に「How to make Yet Another Open Jet Alcohol Stove」なるものを見つけました。(作者 TETKさん もう1つのオープンジェット)
方式もおもしろいですが、紹介されている方もなかなかのマニアックな感じを醸し出されていて、大いに興味を引きました。特に本燃焼までのタイムが10秒以内を達成されていることに驚愕するとともに、探究心から複雑な工作をものともせずに、様々な形状に挑戦されている点にプロ根性を見た気がしました。
こうなったら、この「How to make Yet Another Open Jet Alcohol Stove」を作らないわけにはいきませぬ。。。
用意する材料
Let’s Go!
説明 | 画像 | |
1 | 完成品イメージです。今回はこれを作ります。側面のシャープな立ち上がりと、内側に向かって吹き出すバーナー口が特徴のストーブです。 形状が非常にシンプルなため、調理後にバスタブ内にアルコールが残ってしまうような場合でも、ふつうに燃料ボトルに移し戻すことができます。 |
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2 | 【第2世代で必要となる材料】 アルミニウム製のモンスターエナジー缶 2缶と、レッドブル缶 1缶を用意します。 モンスターエナジー缶は、アルコール容器となる下パーツ、バーナー部を形作るフープ状のパーツとなり、 レッドブル缶は、内面で壁を形成する内側パーツ となります。 |
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3 | 【バーナーの穴をマーキング】 炎が噴き出るバーナー部をサインペンなどでマーキングします。マークする箇所は、印刷されていない底面の外側斜めの部分で、ほぼ印刷面となる1mm程度内側を目安にします。 上下左右に4箇所のマークをした後、各中間点をマークし、最終合計8箇所となります。(第1世代16箇所の半分です) |
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4 | 【バーナーの穴を貫通】 「プロクソン ドリル10種セット No.28913」を使い、セットに含まれている0.8mmの極小ドリルで穴を貫通させます。 (すみません、この後撮影した写真の入れ違いがありドリル穴が開いていませんが、この説明の手順が好ましいです。) |
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5 | 【内側パーツの製作】 ドリルで穴を開けた部分をパーツとして切り出すための作業に入ります。 ドリルで穴を開けた底面部を全周に渡って、粗目のやすりで強く削ります。 |
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6 | 【フープ状となる穴あけ】 削っていくと、いきなりパカッと底面部分が外れるようになります。 |
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7 | 【バーナー部を形作るフープ状のパーツの切り離し】 電話帳やかまぼこ板などで高さを8mmにセットし、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付けます。地道にキズをつけながら、100回転程度させる根気をもって作業します。 100回転ほどするころには、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。 |
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8 | 【こじ開け】 カッターでキズをつけながら100回転程度を終えるころ、部分的に「貫通穴」が現れ始めます。これが3箇所以上になる頃には、全周に渡って、均一なキズがついています。そこで、この「貫通穴」の内側ギリギリの部分に力をかけ、アルミ缶を裂いていきます。変形するようで無理っぽければ、さらにキズをつけます。 |
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9 | 【フープ状部品の仕上げ】 開口部となる切り裂き部をやすりで仕上げます。 ここでは、粗仕上げのやすりと、細かい仕上げ用のやすり、そして、滑らかな丸い金属棒を使って最終研磨をしています。 |
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10 | 【下パーツの切り離し】 上記と同様の手順で、高さだけを変更して下パーツを作ります。 高さは、電話帳やかまぼこ板などで38mmにセットして、カッターの刃をアルミ缶に押し付けキズを付け、100回転ほどする頃に現れる「貫通穴」をきっかけにして切り離します。 |
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11 | 【内側パーツの製作】 レッドブル缶を使い、内面で壁を形成する内側パーツを作ります。 まず、缶をひっくり返し、下部を全周に渡って粗目のやすりで強く削ります。削っていくと、いきなりパカッと底面部分が外れます。 |
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12 | 【内側パーツの切り離し】 上パーツ、下パーツと同じ要領で、缶を正立させ、内側パーツを高さ30mmでカットします。 |
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13 | 【燃料補給路】 底面の削り取りで開けた部分が均等に3箇所となるように、三角形の切込みを深さ3mm〜4mm程度で入れます。この切れ込みを燃料が通過し、主室(バスタブ室)から副室(気化室)へ燃料が供給されます。 |
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14 | 【燃料補給路の仕上がり】 等分に3箇所の切れ込みが入っています。このように仕上げます。 |
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15 | 【用意したパーツ類】 上パーツや下パーツを切り離した、残りのアルミ缶の1つを使い、はさみで縦に「ほぼ切り分け」ます。 (最後の部分は堅いので、完全に切り分けなくて結構です) 次に、横方向にはさみを入れ、23mm程度の帯パーツを3枚ほど切り出します(写真右端)。 手前 バーナー部を形作るフープ状のパーツ 奥側 左から下パーツ、内側パーツ |
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16 | 【重ね合わせの様子】 下パーツの中に内側パーツを入れ、その隙間に3枚の帯パーツを重ね入れます。 |
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17 | 【重ね合わせた状態】 バーナー部を形作るフープ状のパーツを重ねる直前の状態です。 |
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18 | 【フープを重ね合わせた状態】 バーナー部を形作るフープ状のパーツを重ねた状態です。 |
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19 | 【フープを押し込む】 バーナー部を形作るフープ状のパーツを下まで押し込みます。しっかり押し込み終えると、外周部の方が3mm程高くなっているので、せり上がりがでてきます。 ここでは入念に押し込むようにします。密着性が低いと、気化したアルコールが漏れ、きれいな炎の形が崩れてしまいます。 |
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20 | 【外周部の折込1】 3mm程せりあがっている外周部を、徐々に全体的に内側へ織り込んでいきます。 |
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21 | 【外周部の折込2】 せりあがっている外周部を、さらに内側へ織り込んだ状態です。 |
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22 | 【外周部の折込3】 せりあがっている外周部を、さらにさらに内側へ織り込み、直角までなりました。 |
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23 | 【外周部の折込4】 直角まで織り込んだ状態で、折り込みに凸凹がなくなるように、板等を使い上面が平になるように擦り付けます。 さらに織り込み、最終的には、バーナー部を形作るフープ状のパーツに密着させます。 |
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24 | 【補助線の消去】 サインペンなどで付けた補助線があれば、サインペンの跡を、アルコールなどで拭き取っておきましょう。 燃焼させた後では、焼き焦げによるためか、拭き取りづらくなります。 |
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25 | 【第2世代のテスト機】 今回の作成は、全体で65個目でした。第2世代としても廃棄したものもあるので、たくさん作りました。 |
--------- 目次 ---------
1. | アルコールストーブのタイプ バリエーション | |
2. | 当サイトで製作するアルコールストーブをばっさり比較 | |
2-1. | 五徳は不要 | |
2-2. | 本燃焼までの早さ | |
2-3. | 火力調整が可能 | |
2-4. | 燃費の良い内炎式 | |
2-5. | 炎の形が際立っている | |
2-6. | 材料調達コスト | |
2-7. | アルコールの回収性 | |
2-8. | 絵柄が倒立していない | |
2-9. | 尖った部分がないこと | |
3. | アルコールストーブの作り方 | |
3-1. | 第1世代 ベーシックモデル | |
3-2. | 第2世代 毛細管現象を活用した高火力モデル )(TETKの徒然なるまま) | |
3-3. | 第3世代 オリジナル1 「製作コスト削減モデル」 | |
3-4. | 第4世代 オリジナル2 「火力調整モデル(お勧め)」 | |
4. | 五徳の作り方 | |
5. | 第4世代用 火力調整金具の作り方 | |
6. | アルコールストーブ四方山話 | |
6-1. | カッティングのカッターの刃の進行方向 | |
6-2. | 内側パーツ(中込パーツ、隔壁パーツ) | |
6-3. | 風防の検討、輻射熱の検討 | |
6-4. | 鍋敷き | |
6-5. | アルコールストーブ本体、コッヘル、風防のスタッキング | |
6-6. | アルコール運搬用ボトル | |
6-7. | 着火具 | |
7. | さぁ、アルコールストーブを使ってクッキングしよう! | |
7-1. | お湯を沸かして、カップヌードルタイム、コーヒータイム | |
7-2. | さぁ、おなかが減ったぞ 炊飯だ! |