ピッカピカに青光りするいわしで「オイルサーディン」 |
こいわしの頭と内臓をとって、高濃度の塩水に軽く漬け、オイルで煮込むとオイル サーディンになります。薄切りにした玉ねぎをのせて、レモンをシュシュッとふりかければ、つまみの一品のできあがりーぃ。 このオイルサーディンをパンに挟むと、トルコのイスタンブールにある ガラタ橋近くで食べた 「サバサンド」(揚げて作る方)みたい!!
ちなみにオイルサーディンとアンチョビの違いですが、オイルサーディンは 「油漬けいわし」 なのに対し、アンチョビは 「塩漬けいわし」 ということです。といっても、作り方の中でオイルサーディンも塩を使いますし、アンチョビも油を使います。これらの条件をまとめると、次の表のようになります。
オイルサーディン | アンチョビ | |
塩漬けの条件 | 高濃度の塩水に数時間 | 15%〜20%の塩に漬け込み半年以上発酵・熟成 |
オイルに漬け込んだ後の加熱条件 | 加熱あり | 加熱なし |
つまり、オイルサーディンは、オイルで煮込んで滅菌することで保存食になっていますし、アンチョビは塩漬けすることでいわしの食塩濃度が高くなっており、発酵食になっているようです。
「パスタにあわてトッピング!」シリーズ の紹介 | ||||
ベーコン | コンビーフ | オイルサーディン | オリーブのディップソース | ミートソース |
辛子明太子 | タバスコ | ペペロンオイル | カッテージチーズ | モッツァレラ |
トマトケチャップ | ドライトマト | バター | フライドガーリック | |
オイルサーディンの基本的な材料
こいわし 250g | 塩 20g | 水 180cc | にんにく 1かけら | |
ローリエ 1枚 | 唐辛子 1本 | つぶ胡椒 5粒 | オリーブオイル こいわしがひたひたに浸る程度 | |
※参考情報 ・塩を手作りするレシピはこちら |
用意しておきたい器具
金属製のふたつき容器(子供用の金属製弁当箱など) | 圧力鍋 | 金属製のザル |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【準備】 いわしの身が痛まないように、全体をとおしていわしの体は丁寧に扱います。新鮮なこいわしを用意します。ギンギラギンに青光りして、ピッチピチでうまそーっ! |
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2 | 【うろこ取り】 こいわしだと身が痛むのであまり行いませんが、もしちょっと大きめのいわしを用意したときには、3%くらいの塩水を用意して、その中でいわしを尾の方から頭方向へ指先で軽くこすって、うろこを取ります。(3%の塩水は上記基本材料の分量外です) |
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3 | 【頭と内臓をとる】 写真では、手さばきをしていますが、包丁を使って頭を切り落とし、内蔵は小さなスプーン(蟹を食べるとき用の先ちょが二股に分かれているものが使いやすかったですが、マドラーも使えました)で掻き出した方が、いわしの身の痛みは少なかったようです。手さばきの仕方や、こいわしよりも大きめのいわしを使うときには、こちらの方法をどうぞ。 |
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4 | 【塩漬け】 水に塩を溶かして、10%の塩水とし、そこにいわしを2時間漬け込みます。 |
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5 | 【水分とり】 清潔なタオルで、ちょんちょんと押さえる程度で水分をふき取ります。くれぐれもいわしの身を痛めないように…。 |
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6 | 【香辛料とオイルを入れる】 耐熱性のあるふたつき容器(子供用の金属製の弁当箱など)の中にいわしを並べ、薄切りにしたにんにく、ローレルの葉、種を除いて輪切りにした唐辛子をおき、オリーブオイルをひたひたに注ぎます。 |
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7 | 【圧力鍋の用意】
圧力鍋の中には、高さを保つために「逆さにしたザル」を入れ、圧力鍋の1/3くらいの深さまで水をはります。 |
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8 | 【加熱調理】 安定感を保つため、ザルの上に金属製の平らな落としぶたを置き、いわしのオイル漬けを入れた容器(金属製の弁当箱など)を置き、圧力をかけて、沸騰後40分、火を止めて15分間置いておきます。 |
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9 | 【できあがり】 いわしの皮がピッカピカで、いわしの身にほとんど損傷のないオイルサーディンができました。骨も感じないくらいやわらかく、とっても美味! (身についている黒いテンテンはハーブです) |
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おまけ | 【圧力鍋を使わない方法(低温のオイルで煮る)】 圧力鍋を使わない方法も書いておきます。オイル漬けにしたいわしを弱火で10分ほど煮ます。 |
ここでのコツ
※1 【こいわし】
ここで言うこいわしは、全国各地でいろいろな呼び名で呼ばれていますので、小さな鰯を用意すればいいと思います。
ちなみに次のように呼ばれているようです。
かたくち、せぐろいわし、どろいわし、しこいわし(しこ)、ひしこいわし(ひしこ)、
たれくち、えたれ、ほほだれ(ほおたれ)、こしなが、かくはり、ぶと
※2 【オリーブオイル】
オリーブオイルは、クセがあるので、オリーブオイルにこだわらず、お好みによりサラダ油、大豆油もおすすめです。 〜ゲストのチャメゴンさんより〜
※3 【こちらの方法】
・ 手さばきの方法 |
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頭の後ろ側(えらのあたり)をつまみ、親指の爪を押し込み、腹の方向へ向けて骨ごと引きちぎります。腹の方向へ動かすと、内臓もいっしょにでてきますね。この内臓をきれいにとり、水洗いしておきます。 |
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・ 3枚にひらいて骨を取る方法 |
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腹を上にして持ち、背骨にそって親指をさしこみ、尾の方へ向かって動かせば簡単に開くことができます。あとは中骨をはずればオッケー。 |
※4 【金属製の弁当箱】
子供の弁当箱を使いましたが、右に見えるドラゴンボールの弁当箱は、絵が印刷ではなく、シール式のものだったため、加熱調理が終わったときには、ブヨブヨになってしまいました。ご注意を!!
※5 【弱火で10分ほど煮ます】
70℃〜80℃を維持できれば良いので、グツグツと煮え返らせる必要はありません。できばえを良くするためにも、いわしは、オイルの中で踊らないようにすることが大切です。オイルが目標温度の70℃を越えてから10分煮込むことで、鰯の内部を70℃に到達させ、滅菌しています。
※6 【圧力鍋で40分 普通の鍋で10分って本当!?】 2013.12.5追記
お勧めしている圧力鍋+弁当箱 のパターンですと、お湯が沸騰してから40分としており、この40分には、弁当箱の中に入れたオイルサーディンはまだ冷えたままの状態を含んでいることになります。弁当箱は水滴が垂れてこないように蓋もしており、直火に当てずに間接的にあたためているという点でじっくりと加熱する形になります。
一方、普通の鍋では直火で沸騰させてからの10分であるという点に加え、もう一点決定的な差があります。
直火だと念入りに弱火で加熱してもなかなか沸騰を回避できないという点です。
目指したいのは骨まで柔らかい完成品であることは同じですが、沸騰させてしまうと鰯の柔らかい皮を傷つけてしまいかねません。そのため、普通の鍋の作り方では、妥協点として、骨まで徹底的に柔らかくすることは諦めて、加熱できれば完成としています。
なお圧力鍋で加熱後も時間をおいているのは、圧力が低下するのを待っているためであり、事故回避を目的としています。
参考文献
東京ガス
さんの食の生活110番 http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/chie/189.html
長崎酒店さんのワインの玉手箱
http://www.lcv.ne.jp/~sakaya/vin.htm
しこの露さんのカタクチイワシってどんな魚?
http://www.aiweb.or.jp/toyohama/html/shiko3.htm
小学館 食材図典2 ISBN4-09-526083-1
の水産物缶詰
「カタクチイワシ(片口鰯) アンチョヴィ anchovy」
四葉商事さんの簡単なアンチョビーの作り方(当サイトは閉鎖した模様です 2004.4.26更新
コンビーフの作り方である工業的製法の「蒸煮」を、家庭でも簡単に実現する方法として圧力鍋で蒸すことについてはコンビーフの作り方(2001年6月更新)でご紹介しておりましたが、これをオイルサーディンの作り方(2003年7月更新)にも適用するヒントをチャメゴンさんからいただきました。ありがとうございます。 2007.4.29更新
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