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濃厚な味の源「バター」
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生クリームの箱に小さな注意書きがあります。「…振動により固まることがあります。」そう、生クリームを使ってケーキ作りをしている人なら、1度は生クリームを泡立てすぎて分離させた経験があることでしょう。このときにできた固形物こそ「バター」なのです。このバターはとっても香りもあり、なめてみるとうま味もあります。
生クリームの分離がどのように進んでいくのかを確かめることで、適切なホイップの加減を知ることもできます。一度はバター作りをしてみて、ホイップしすぎた生クリームの本性「バター」を味わってみませんか。
基本的な材料
Let’s start!
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作り方 |
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1 |
生クリームに塩を加え、泡立て器で泡立てます |
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2 |
ケーキで使えるようななめらかなクリーム状になっても泡立てを続けると、急激にボロボロの状態に変わってきます。バターになる1段階目の変身です |
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3 |
ボロボロの状態になってからかなりの間、しっかりと泡立てを続けるとじわっと水分がでてきて、しっとりとした状態になります。2段階目の変身が始まりました |
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4 |
さらに泡立てを続けると、明らかに液体と固形分に分かれます。この固形分がバターです |
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5 |
固形分を布に入れて、液体を絞り出します |
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6 |
なめらかなバターのできあがりです。純乳脂肪分47%の生クリーム200CCから100gのバターができます(ムムッ、市販のバターを買う方が安いゾッ!) |
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ここでの「こつ」
※1 【さらに泡立てを続ける】
生クリームがボロボロの状態になってからの泡立てがかなり大変です。泡立てる時間がかかることもその理由の1つですが、かなり力が必要なことがその大きな理由です。できるだけ電動式の泡立て器を使うことをお勧めします。電動式の泡立て器がないなら、体力と気力でとにかくがんばりましょう。
※2 【バターのできあがり】
食用油脂のうち、バターはこのような作り方でできあがりますが、一方、マーガリンは液状の油脂に水素を添加して不飽和度をさげることで融点を上げ、常温で固形にしたものです。このように水素を添加してできあがった脂肪は、自然界には存在しない「トランス型脂肪酸」という形態をとり、自然界に存在するシス型脂肪酸(バターなど)とは性質が異なります。
体は、トランス脂肪酸を体内に取り込んでも、どう反応していいかわからず、とりあえず細胞内にとりこむわけですが、取り込まれたトランス脂肪酸は、悪さをしでかすという報告があります。このためアメリカでは、トランス脂肪酸をある一定以上含む製品は、販売禁止にするとともに、トランス脂肪酸の含有量を表示する動きがあります。日本ではまだ、そのような動きはないようですが、またしても、AIDSやBSE(狂牛病)のときのように、後手後手に回った対応をしているような気がしてなりません。
2002.7.21 記載
※3 【市販のバターを買う方が安いゾッ!】
スーパーで売っているバターの多くは200gの箱入りで、特価のときには200円前後で売られています。ところが今回使用した生クリームで同じ量を作ろうとすると680円もかかってしまうことになります。とても奥さんに胸を張って言える価格ではありません。いやいやそんなことよりも、バターを使った酒の肴を用意しなきゃ…。