うまい醤(じゃん)「オイスターソース」 |
真っ白で水みずしい新鮮な牡蠣を前にして、ヒジョーに大きな難問にぶつかりました。それは、なにを隠そう、うまそうな牡蠣に一切手をつけず、調理してしまうことでした。うまそうな牡蠣、しかも値段も高かった。とても家内にバラすわけにはいかない。ふふっ、これぞ、男の料理!! (^_^;)
牡蠣には加熱用と書いてあるものを購入します。というのも、新鮮な牡蠣って実は生食用ではなく、加熱用なのです。生食用の牡蠣は、食中毒を避けるために2〜3日かけて紫外線殺菌処理を施した塩水にさらしてあり、その処理にかける時間だけ、「活き」 「風味」に欠けるのです。加熱用の方が「活きがいい」という、なんとも理解しがたい気持ちを抑え、加熱用の牡蠣を手にとり、いざレジへ!!
「料理には欠かすことができない調味料!」 シリーズの紹介です | ||||
味噌作り | 醤油醸造 | ウスターソース | 照り焼きだれ | 本醸造みりん |
砂糖 | 塩 | ポン酢 | 柚子胡椒 | ごまラー油 |
オイスターソース | 豆板醤 | XO醤 | ペペロンオイル | タバスコ |
オイスターソース250ccの基本的な材料
新鮮なかき 200g | 生ホタテ 2個 | 醤油 200cc | みりん 大さじ2 | 好みにより魚醤 小さじ1/2 |
水あめ(砂糖も可) 大さじ1 | 塩 小さじ1/4 | 昆布 10cm | 水 300cc | |
※参考情報 ・醤油を手作りするレシピはこちら ・みりんを手作りするレシピはこちら ・水あめを手作りするレシピはこちら ・塩を手作りするレシピはこちら |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【新鮮な牡蠣】
「おおーっ、うまそうな牡蠣だ!これは生で食いたい!!」 という衝動をおさえつつ、調理に入ります。 |
|
2 | 【水洗い】
ボールにたっぷりの水をはり、その中でユッサユッサと手早く振り洗いします。 |
|
3 | 【すり下ろす】
フードプロセッサーなどで牡蠣の身を丸ごとすり身にします。 |
|
4 | すり身にすると、真っ白な牡蠣は、茶色の液体に変わります。 | |
5 | 水100ccを、空になったフードプロセッサーに加え、回転させて洗浄し、この液も牡蠣のすり身に加えます。 これを水100ccでさらにもう一度繰り返します。 |
|
6 | 【かきエキスの抽出】
鍋にたっぷりの湯を張り、その上に牡蠣のすり身をいれたボールを浮かべて湯煎(湯煎の湯は沸騰させても大丈夫)にして、牡蠣の旨みを抽出します。 |
|
7 | 30分〜1時間ほど湯煎にして、旨みの出ただしを、目の細かいザルで濾過します。 | |
8 | 牡蠣のうまみを十分に抽出した牡蠣油(以降、「かきエキス」と呼びます)です。 オイスターソースとして、このまま醤油に加えては水っぽくなってしまうので、これを湯煎で濃縮していきます(約3〜4時間)。 |
|
9 | ざるに残った牡蠣のカスにも、まだまだ牡蠣の旨みが残っていますので、ここに水50ccを加え、攪拌して目の細かいザルで漉して、二番絞りを作ります。 これを水50ccで、もう一度繰り返します。 |
|
10 | 一番絞りのかきエキスは乳白色でしたが、二番絞り、三番絞りでは、やや茶色がかったかきエキスとなります。この二番絞り、三番絞りも最初の一番絞りのかきエキスに加えます。 ここで残った牡蠣のすり身の処理はこちらをどうぞ。 |
|
11 | 【ホタテエキスの抽出】
生ホタテを網焼きにして、ホタテのエキスをしみ出させます。 |
|
12 | ホタテからでてきたエキスを、かきエキスに加えます。 ホタテくんの役割はこれで終わりですので、あとは分量外の酒 大さじ1/2を加えて加熱し、醤油をちょろっと注いで焦がした後、キッチンで食べちゃいます。うんまーぃ。 \^o^/ |
|
13 | 【かきエキスの濃縮】
湯煎のまま加熱を続けると、かきエキスの表面に湯葉のような膜がはってきます。この膜を随時、別容器に取り分け、集めます。 |
|
14 | 別容器に取り分けた固形状濃縮かきエキスです。牡蠣の旨みを十二分に含み、膜状の固まりになっています。 | |
15 | 湯煎を約3〜4時間続けながら、湯葉のようなかきエキスを取り出していった最後の状態です。底にちょろっとだけ、液状の濃縮かきエキスが残っています。 かきエキスにカスのような固形物が浮いているようであれば、カスを目の細かいザルで漉し取り、かきエキスだけを再びこの容器に戻しておきます。 |
|
16 | 【昆布醤油】
分量の醤油を計量し、ここに昆布を加えておきます。 |
|
17 | 醤油を75度の湯煎にかけ、醤油を70度にあたためます。 | |
18 | 醤油が70度にあたたまったら、水あめ(砂糖も可)、みりん、塩、魚醤を加えます。 | |
19 | 【醤油とかきエキスの混合】
湯煎した容器に残っている液状の濃縮かきエキスに、醤油を加えます。(昆布は除いておきます) |
|
20 | 別容器に取り分けた固形状濃縮かきエキスを、醤油に加え溶かします。 | |
21 | 醤油に溶け切れていない固形状濃縮かきエキスをざるでこし、なめらかにします。 | |
22 | 十分に加熱殺菌した保存容器に詰めます。 | |
23 | 【できあがり】
オイスターソースの完成です。かきの旨みたっぷりで、そこいらのオイスターソースに引けを取りません。 |
ここでの「こつ」
※1 【食中毒を避けるために2〜3日かけて紫外線殺菌処理を施した塩水にさらしてあり】
牡蠣による食中毒は、牡蠣が海水に含まれている菌を取り込んでいるために起こります。加熱して食べる場合は、この菌は加熱調理中に殺菌することができますが、生食する場合にはあらかじめ殺菌しておく必要があるのです。
生食用の殺菌方法としては、紫外線処理で海水を殺菌し、その中に2〜3日入れておく方法が採られます。この期間中牡蠣はエサをもらえないため、絶食状態となり、牡蠣のうまみが減少していくのです。当然、その分風味が落ちますので、加熱調理する場合には、加熱用の牡蠣を購入したほうがおいしく食べられるわけです。
※2 【鍋にたっぷりの湯を張り】
湯煎の湯がなくなって、すり身やかきエキスをいれたボールが鍋の底に接触しはじめると、鍋の底から大きな泡がたつことがあります。この泡のしぶきが牡蠣エキスに入ってしまったり、鍋を空焼きしないよう、適宜、鍋の湯を追加するようにします。
※3 【牡蠣のすり身の処理はこちら】
ここまでやった牡蠣のすり身にも、まだ旨みは残っています。このため、この牡蠣のすり身を別鍋に入れ、100ccの水を加えて直火で加熱し、十分にエキスを抽出した時点で、だしを漉しとり、かきエキスに加えることをお勧めします。ただし、ちょっとでも焦げ付いた場合は、捨てるしかないです。少量でも焦げたかきエキスを加えると、オイスターソース全体に焦げたにおいがついてしまいます。
※4 【別容器に取り分け】
膜が張ると煮詰めるのに時間がかかると考えたわけですが、面倒なら湯煎の容器にそのままに残しておいてもいいかも… o(^o^)o 膜が張るたびに、別容器に集めるのはたいへんでした、、、。
※5 【醤油を70度にあたためます】
醤油が75度を超えると、醤油に含まれるアミノ酸成分が熱で変性するため、味に影響がでてしまいます。醤油の温度管理は大切です。
※6 【魚醤を加えます】
魚醤は好みもありますので、魚醤のにおいが鼻につく方は、入れなくても構いません。
参考文献
・いしのまき旬鮮市場さんの石巻の無添加かきエキス
・いい品こだわる通販ショップさんの牡蠣エキス・説明その2
・全国鰹節類青年連絡協議会さんの返しの仕込み(7つのこだわり)
|