真っ白で水みずしい新鮮な牡蠣を前にして、ヒジョーに大きな難問にぶつかりました。それは、なにを隠そう、うまそうな牡蠣に一切手をつけず、調理してしまうことでした。うまそうな牡蠣、しかも値段も高かった。とても家内にバラすわけにはいかない。ふふっ、これぞ、男の料理!! (^_^;)
牡蠣には加熱用と書いてあるものを購入します。というのも、新鮮な牡蠣って実は生食用ではなく、加熱用なのです。生食用の牡蠣は、食中毒を避けるために2〜3日かけて紫外線殺菌処理を施した塩水にさらしてあり、その処理にかける時間だけ、「活き」 「風味」に欠けるのです。加熱用の方が「活きがいい」という、なんとも理解しがたい気持ちを抑え、加熱用の牡蠣を手にとり、いざレジへ!!
オイスターソース250ccの基本的な材料
Let’s start!
「おおーっ、うまそうな牡蠣だ!これは生で食いたい!!」 という衝動をおさえつつ、調理に入ります。 項番16の昆布醤油を最初に作っておくといいでしょう。
ボールにたっぷりの水をはり、その中でユッサユッサと手早く振り洗いします。
フードプロセッサーなどで牡蠣の身を丸ごとすり身にします。
鍋にたっぷりの湯を張り、その上に牡蠣のすり身をいれたボールを浮かべて湯煎(湯煎の湯は沸騰させても大丈夫)にして、牡蠣の旨みを抽出します。
生ホタテを網焼きにして、ホタテのエキスをしみ出させます。
湯煎のまま加熱を続けると、かきエキスの表面に湯葉のような膜がはってきます。この膜を随時、別容器に取り分け、集めます。
分量の醤油を計量し、ここに昆布を加えておきます。
湯煎した容器に残っている液状の濃縮かきエキスに、醤油を加えます。(昆布は除いておきます)
オイスターソースの完成です。かきの旨みたっぷりで、そこいらのオイスターソースに引けを取りません。 そらぁ、あんなにうまそうな生牡蠣だったんですから…。
ここでの「こつ」
※1 【食中毒を避けるために2〜3日かけて紫外線殺菌処理を施した塩水にさらしてあり】 牡蠣による食中毒は、牡蠣が海水に含まれている菌を取り込んでいるために起こります。加熱して食べる場合は、この菌は加熱調理中に殺菌することができますが、生食する場合にはあらかじめ殺菌しておく必要があるのです。 生食用の殺菌方法としては、紫外線処理で海水を殺菌し、その中に2〜3日入れておく方法が採られます。この期間中牡蠣はエサをもらえないため、絶食状態となり、牡蠣のうまみが減少していくのです。当然、その分風味が落ちますので、加熱調理する場合には、加熱用の牡蠣を購入したほうがおいしく食べられるわけです。
※2 【鍋にたっぷりの湯を張り】 湯煎の湯がなくなって、すり身やかきエキスをいれたボールが鍋の底に接触しはじめると、鍋の底から大きな泡がたつことがあります。この泡のしぶきが牡蠣エキスに入ってしまったり、鍋を空焼きしないよう、適宜、鍋の湯を追加するようにします。
※3 【牡蠣のすり身の処理はこちら】 ここまでやった牡蠣のすり身にも、まだ旨みは残っています。このため、この牡蠣のすり身を別鍋に入れ、100ccの水を加えて直火で加熱し、十分にエキスを抽出した時点で、だしを漉しとり、かきエキスに加えることをお勧めします。ただし、ちょっとでも焦げ付いた場合は、捨てるしかないです。少量でも焦げたかきエキスを加えると、オイスターソース全体に焦げたにおいがついてしまいます。
※4 【別容器に取り分け】 膜が張ると煮詰めるのに時間がかかると考えたわけですが、面倒なら湯煎の容器にそのままに残しておいてもいいかも… o(^o^)o 膜が張るたびに、別容器に集めるのはたいへんでした、、、。
※5 【醤油を70度にあたためます】 醤油が75度を超えると、醤油に含まれるアミノ酸成分が熱で変性するため、味に影響がでてしまいます。醤油の温度管理は大切です。
※6 【魚醤を加えます】 魚醤は好みもありますので、魚醤のにおいが鼻につく方は、入れなくても構いません。
参考文献 ・いしのまき旬鮮市場さんの石巻の無添加かきエキス ・いい品こだわる通販ショップさんの牡蠣エキス・説明その2 ・全国鰹節類青年連絡協議会さんの返しの仕込み(7つのこだわり)