韓国料理ではサンチュと共に欠かせません「ペチュ(白菜)キムチ」 |
韓国では、11月ころになると、新聞に桜前線ならぬ、「キムチ前線」が南下してくるというニュースが流れるそうです。キムチ作りに適した気候になる時期を指し、キムチ作りがはじまるのです。特にこの季節に仕込むキムチ作りのことをキムジャンといい、家族や地域の人たちが協力しながら、大量のキムチを仕込みます。大量に仕込むわけですから、お金もかかります。日本では寒冷地手当という名称で、灯油代が支給される会社があるようですが、韓国ではこのキムジャンのために、キムジャンボーナスが支給されたり、キムチ休暇まであるそうです。
ただし都市化の波は、韓国のこのキムチ文化にも大きな影響を与えています。キムチを保管する「かめ」がマンションでは設置できないことから、キムジャンも次第に廃れつつありということなのです。といってもこんなにおいしいキムチですから、おいそれと捨て去ることもできません。そこで登場したのが、キムチ専用の冷蔵庫!! 韓国の主婦が欲しがる家電品として、第1位に輝くヒット商品になっているそうです。2001年には、所有率がすでに24%とのこと w(゚o゚)w OH!
はくさい半分で作るキムチの材料 まずは主役の白菜
白菜 中ぶりのものを半分(1kg) | 塩 50g | 約4%の塩水(1000ccの水に、塩を42g溶かす) |
ヤンニョム(キムチの素)に使う 大根とにんじんの下準備
大根 正味100g | にんじん 正味50g | 塩 小さじ1/2 | 砂糖 小さじ1/4 | 水 大さじ1/2 |
大根とにんじんに加える材料
だし 200cc (150ccをのり用、50ccをバット洗用) |
白玉粉(もち米粉) 大さじ1 | 粉とうがらし 25g | おろしにんにく 25g |
おろし生姜 5g | いかの塩辛 大さじ2 | 魚醤 大さじ1 | 砂糖 大さじ1 |
青ネギ 半カップ | 白ネギ 半カップ | ニラ 1/4カップ | 玉ねぎ 1/4個 |
おもてなし向けの「贅沢版ポッサムキムチ」をめざした追加材料
(魚介類は
「生食用」 or 「解凍したもの」を使いましょう)
生エビ 正味40g | 生の剣先イカ 正味40g | 生ホタテ 正味40g | 生たこ 正味25g |
りんご 1/2個 | 梨 1/2個 | 桃 1/2個 | |
※参考情報 ・塩を手作りするレシピはこちら ・砂糖を手作りするレシピはこちら ・白玉粉を手作りするレシピはこちら ・いかの塩辛を手作りするレシピはこちら |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【白菜の下漬け】 仕込みの一例 金曜日22時 白菜の汚れた外葉を除き、根元から1/3くらいまで包丁を入れます。あとは手で縦に引き離すようにして、2つ割りにします。←内側にある葉をばらけさせないというテクニックです。引き離すことで、重なり合っていた葉の部分も、スルスルとでてくるのです。 |
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2 | 白菜の葉の隙間に付着している砂埃を流水でざっと洗い落とし、水気を切ります。次にさっと塩水(1000ccの水に、塩を42g溶かす)に浸します。 もし深さが足りないようであれば、玉じゃくなどで回しかけるといいでしょう。 |
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3 | 塩水の水気をざっと切り、根元の白い部分だけに塩をふります。このとき外側の緑の濃い葉には塩を多めに配分し、内側の白っぽい葉には塩を少な目にふりかけます。 | |
4 | 白菜がぴったりとおさまる容器に、白菜の切り口が上を向くようにして入れ、白菜を浸した塩水をそっと加えます。ちょっと重ための皿2枚分くらいを重石として、一昼夜漬け込みます。 | |
5 | 土曜日22時 漬け上がった白菜は、塩分をていねいに水で洗い流してから、根元の白い部分を上にして、切り口を下に向けた状態で5時間以上置き、余分な水分をしたたらせます。 |
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6 | 【キムチヤンニョムの用意】 100ccのだしを沸騰させ、中火にし、50ccのだしで溶いた白玉粉(大さじ1)を加えます。再沸騰後、こげつかないように注意しながら、20秒程度煮立たせます。これを「のり」と呼びます。 |
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のりが熱いうちに唐辛子の半量(12g)を加えて混ぜ合わせ、冷ましておきます。 | ||
8 | 大根とにんじんの皮をむき、縦に細長い千切り(4mm×4mm×50mm)にしたものに塩(小さじ1/2)と砂糖(小さじ1/4)、水(大さじ1)をまぶし、しんなりしてきたら、水分を手のひらで絞ります。 | |
9 | 絞った大根とにんじんに、残りの半量の唐辛子(13g)をあえます。肌の弱い方はゴム手袋をつけることをお勧めします。 | |
10 | 7.で作って冷ましておいた「のり」を加えます。 | |
11 | 【基本の調味】 おろしにんにく(25g)、おろし生姜(5g)、いかの塩辛(大さじ2)、魚醤(大さじ1)、砂糖(大さじ1)をフードプロセッサーでペースト状にして、混ぜ合わせます。 |
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12 | 【基本の野菜】 青ネギ(半カップ)、白ネギ(半カップ)、ニラ(1/4カップ)をいずれも2〜3cmに切り、薄くスライスした玉ねぎ(1/4個)と共に加えます。 |
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13 | 【お好みの魚介類や果物の追加】 生エビや生イカ、生ホタテ、生たこなどの魚介類と、りんごや梨、桃などのお好みの果物を、食感が残るくらいの大きさに切って、加えます。 |
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14 | しっかり混ぜ合わせます。 味見をして、大丈夫であれば、熟成がすすんだときのために、塩を大さじ1/2加えます。 |
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15 | 【本漬け】 日曜日6時 半量の白菜分として、ヤンニョムの1/2量を取り分けます。 |
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16 | 一番下側の葉から順番に、白い根元だけにヤンニョムを挟み込んでいきます。 | |
17 | 全ての葉と葉の間にヤンニョムを詰め終えたら、切り口が内側になるように2つ折りにします。 | |
18 | 最初に斜めにずらしておいた葉を使って、全体を包みながらまとめます。軽く押さえて、中に含んでいる空気を追い出します。 残りの白菜とキムチヤンニョムも同様に繰り返します。 |
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19 | 隙間がでないようにしながら、容器に漬け込み、バットなどに付着したヤンニョムを無駄にしないために、だし50ccを注いで洗い落とし、表面に流し込んでおきます。 | |
20 | 表面の空気を追い出しながらラップなどで覆って、空気に触れないようにしてから、白菜が浮かない程度の重石を載せます。これを冬場は涼しい部屋、夏場は冷蔵庫で保管します。 発酵がはじまって、小さな泡がプクッと表面にでてくれば(20℃前後の室内で3日くらい)、酸味が進行しないように冷蔵庫(−2℃〜5℃が適温←チルド室がお勧め)に入れます。 |
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21 | 【できあがり】 3日後の水曜日
すぐに食べることもできますし、3〜4日待てば発酵食品として食べ頃になります。2〜3週間くらいすると酸味がでてきますが、鍋などに使うという手もあります。 |
ここでの「こつ」
※1 【キムチ作り】
日本で流通しているキムチは、発酵食品としてのキムチというよりも、調味料で味付けした「調味漬け」のものが大部分を占めるようです。当初、食品売場でキムチを見かけると、原材料欄を確認したものですが、アミノ酸を添加していないものが全くと言っていいほど見つかりませんでした。試しに買ってみても、食べた後に嫌みな味わいが口の中全体に拡がり、決してうまいとは思えません。
そんな中、キムチの定義があると耳にしました。それは次のようなものです。
「キムチとは、塩漬けされた主原料(白菜など)に、薬味類(唐辛子など)を混合、低温で生成を通し発酵した食品である。」(大韓民国農林部) |
そうそう、これこれ。やっぱり発酵食品じゃないと、キムチとはいえませんよね。
※2 【ヤンニョム(キムチの素)】
ここで使った材料以外にも、次のようなものを入れることもできます。分量はお好みに応じて加減して下さい。
分類 | ヤンニョムに使える材料 | |||
1.野菜 | みつば | セロリ | みょうが | わけぎ |
紫蘇 | 椎茸 | 炒り白ゴマ | ||
わかめ (うまみというよりも健康食品志向) | ||||
2.魚介類 | アワビ | 生食用カキ(さっと水洗後、魚醤で捨て洗いし、水気をきる) | ||
アンチョビ | タラ | 3.魚介類を発酵させた醤(じゃん) | しょっつる(秋田) | ニョクマム(ベトナム) | いしる(能登) | ナムプラー(タイ) |
いわしの塩辛 | あみの塩辛 | オイスターソース | ||
4.果物 | 皮つき完熟柿 | 生栗(皮をむいて、スライス) | なつめ(7〜8mmの千切り) | |
パイナップル | 松の実 | 各種 果物の缶詰 | ||
5.その他 | ごま油 | はちみつ | 昆布茶 |
※3 【だし 200cc】
だしは、いりこ、昆布、鰹節など、お好みのだしでいいです。NHKでは、牛骨スープなんかもお勧めしていました。
※4 【粉とうがらし 25g】
とうがらしは、極力韓国産の甘口とうがらしを用意します。日本産のものよりも、マイルドな辛さで甘みがあります。挽き方まで選択できる場合は、中挽きを選びます。
※5 【ポッサムキムチ】
NHKを見ていたら、贅沢三昧のスペシャルキムチを作っていました。それはまさしく生活クラブ生協のお店でも並んでいるボサムキムチ。そうか、「ボサム」とは、「海や山の恵みを包んだモノ」という意味だったのか。てっきり、作った方のお名前かと思ってました。 (^_^;)
さて、NHKのレシピそのままというのも、NHKさんに申し訳がないので、ここはキムチについていっちょ研究して、神髄を極めたい、、、などとも思いましたが、韓国文化ともいえるキムチに挑むのも途方もない話なので、今回はやっぱりNHKさんのレシピを基本にして、日本人向けの少量仕込みにアレンジしてみました。NHKさんのレシピにこだわりたい方は下記参考文献欄に記載のNHKの本を購入されてはいかが?
※6 【魚介類は
「生食用」 or 「解凍したもの」を使いましょう】
アニサキス等の寄生虫の被害を避けるため、生食用途で市販されているものをのぞき、魚介類は一度冷凍したものを解凍させてから使うことをお勧めします。アニサキスは、塩漬けや酢漬けにした程度ではピンピンしている強者です。ちなみに、生食用として市販されているものは、寄生虫等への対策済みのものが多いようです。
※7 【水気を切ります】
韓国産の白菜は、水分が少なく、甘みがあるのですが、日本の白菜は韓国産に比べて、水分が多いようです。もし時間があるならば、切った状態の白菜を3時間ほど風にあてて乾かすことをお勧めします。乾かしたときは、項番3で白菜の白い根元の部分に加える塩の量を白菜の4%(白菜が800gになったのなら、塩は32g)にします。(←ホントは濃度4%なので若干違いますが…。)
※8 【これを「のり」と呼びます】
のりまで本格的に懲りたいという方は、甘酒の要領で作ります。 o(^o^)o ガンバッテ
※9 【残りの半量の唐辛子(13g)をあえます】
辛みを抑えたい方は、唐辛子の代わりにパプリカを幾分か加えると発色をよくできるということです。
※10 【ゴム手袋をつける】
キムチ作りに使う唐辛子の取り扱いには注意しましょう。肌の弱い方はゴム手袋を装着することをお勧めします。また、唐辛子に触った手で、不用意に目をこすったりすることのないようにします。軽く手を洗ったくらいでは、唐辛子の成分は残っていることが多いため、目が開けられなくなることもあります。
ごま油を手のひらに塗りたくるという方法も、唐辛子対策になるようですので、ゴムのにおいを気にされる方はこちらもお試し下さい。
※11 【警告】
注意喚起です。手作り食品のなかでも発酵食品は、器具や器具を扱う手などに雑菌がついていると思わぬ事故を招く場合があります。衛生には十分に気をつけて、楽しい食品づくりを心がけるようにしましょう。また、嫌な臭いがちょっとでもしたら口にするのは止め、廃棄する勇気をもちましょう。何事も自己責任の意識をもって行動してください。
※12 【お勧めの本】
発酵食を作る際にまずはどうぞ。 | 食材図典という、 オールカラーの事典です。 |
NHK出版のキムチの本 すでに中古しかないようですが、 キムチ初心者の方には おすすめしたい1冊です。 |
【参考文献】
・NHK趣味悠々 キムチへの旅 作って・食べて・知る 著者朝倉敏夫 蔡淑美 本体1,000円+税 ISBN
4-14-188373-5
・作ってみたい韓国料理の本 チョ・カムラン 定価1,200円(税込) ISBN4-7662-0421-2
・秘伝
発酵食づくり 林弘子 晶文社 本体1,700円+税 ISBN4-7949-6401-3
・食材図典2 小学館 本体5,000円+税 ISBN4-09-526083-1
・キムチ専門マートさんのキムチの魔法
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