真っ赤な苺に白い「コンデンスミルク」 |
練乳には、砂糖を加えない無糖練乳(エバミルク evaporated milk)と、砂糖を加えた加糖練乳(コンデンスミルク condensed milk)があります。他にも脱脂粉乳を利用した無糖脱脂練乳や、加糖脱脂練乳に分類されます。ここでは加糖練乳のコンデンスミルクの作り方を紹介します。
市販品としては、乳飲料やアイスクリームなどの原料として利用されています。家庭では、なんといっても苺につけて食べるのがサイコーですよね。またいちご狩りでは、始めのうちはいちごだけで味わい、いちごだけの味に飽きたら、練乳を付けて食べるようにすると、ぱくぱく食べられます。いっそのこと、ポケットに忍ばせて持って行っちゃいましょう。 (^_^;)
コンデンスミルク100ccの基本的な材料
牛乳 250cc | 砂糖 45g |
※参考情報 ・砂糖を手作りするレシピはこちら |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【マーキング】 牛乳100cc(牛乳全分量の2/5)をボールに入れて水深を計り、わりばしなどに目印を付けます。この目印が、牛乳を煮詰めていったときの完成の目安になります。 |
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2 | 【煮詰める】 残りの分量の牛乳を入れて、砂糖を加え、湯煎で煮詰めていきます。湯煎を使うので、焦げ付きの心配はありませんが、牛乳の表面に膜が張らないように、適宜かきまぜるようにします。 |
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3 | 【水分量の確認】 1時間くらいかき混ぜていると、水分が蒸発してきます。そろそろかなと思ったら、最初に目印を付けたわりばしで牛乳の量を計ります。 |
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4 | 【冷やす】 氷水で冷やしてできあがりです。温かいうちは流動性のあるコンデンスミルクですが、冷えるとみるみるうちに、いつも見慣れているコンデンスミルクのような固さになってきます。 |
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5 | 【色】 真っ白な牛乳を原料にしていますが、加熱したためうっすらと褐色になっています。また保存していると舌にザラつきを感じることがあるかもしれませんが、これは乳糖が析出したものであり、食べても問題ありません。 |
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6 | 【できあがり】 コンデンスミルクといえば、やっぱりいちごミルクでしょう。うーん、うまい。 ヽ(^。^)丿 |
ここでの「こつ」
※1 【わりばしなどに目印】
塩作りでも紹介している方法です。煮詰め終わりの水分量の目安をつけるために、はじめから終局分量の部分に目印を付けておきます。
※2 【湯煎で煮詰め】
直接、牛乳を火にかけて煮詰めていくと、鍋のまわりにこびりついた部分からどうしても焦げ付いてしまいます。湯煎にすると安心して煮詰めることができるので楽ですよ。また火は沸点が保てる程度の弱火にしても強火にしても、煮詰める時間に差異はありません。ですから、省資源の観点からも、かき混ぜているときの火傷を防ぐ観点からも、火は沸点を保てる程度の弱火にしましょう。
※3 【牛乳の量】
全体の分量が最初の2/5の量(最初にわりばしにつけた目印の量)になったらできあがりです。最初に加える砂糖の量は、牛乳の16%〜17%くらいですが、できあがり時のショ糖濃度は40%〜45%くらいになります。この濃度ですと腐敗がしにくくなり、保存性が高まります。
※4 【うっすらと褐色】
牛乳に含まれるタンパク質のカゼインと、乳糖やショ糖などの糖類が反応(メイラード反応もしくはアミノカルボニル反応といいます)を起こして褐色化したものです。ケーキの表面が茶色に色づくのと同じです。味わいには影響しません。
※5 【乳糖が析出したもの】
コンデンスミルクは牛乳を濃縮処理したものですから、牛乳に含まれる乳糖が析出(結晶化してでてくること)してくることがあります。乳糖の結晶が大きく(15ミクロン以上)なると、舌に感じるようになります。この状態を砂状といいます。市販品では砂状になるのを防ぐために、微粉末化した乳糖結晶を加えることで、過飽和状態になって含まれている乳糖の結晶化を促し、あらかじめ取り除いてあります。