大豆とにがりだけで作る「豆腐」 |
NHKの朝連ドラ「ふたりっ子」では、職人気質のお父ちゃんが豆腐職人でした。お母ちゃんの作った豆腐はお父ちゃんの豆腐にはかなわなかったようです。やはりプロの道は険しそうですね。
ところで全然話題が異なりますが、「ふたりっ子」にでていた、オーロラ輝子こと河合美智子さんとサイン会で握手をしました。かわいい方ですよね。
豆腐(市販サイズ1丁分強)の基本的な材料
大豆 250g (約360cc) |
1.粉状のにがり※2なら大さじ1をカップ1の水に溶かす 2.液体の天然にがりなら希釈度による(原液なら、大さじ1〜2) |
※参考情報 ・にがりの手作りのレシピはこちら |
用意しておきたい器具
鍋 | 豆乳を絞る袋 | ボール | 温度計 |
豆腐を形成するときに濾過するガーゼ | |||
お玉 | 豆腐を形成する型 |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 【準備】 豆腐を作る前日の夜に大豆を洗い、大豆の体積に対して2倍強の水につけておきます。 |
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2 | 豆乳を絞る袋(袋になっていなくても絞れればよい)をボールにセットして、粉状のニガリであれば1カップの水に溶かしておき、天然にがりなら、そのまま使います。 | |
3 | 【大豆をつぶす】 ミキサーでつぶすことができる量(だいたいお玉1杯分くらい)ずつ、1の大豆と水を1対1の体積比(水に浸けた状態でひたひたよりもちょっと多めくらい)でミキサーに分けて入れ、大豆を細かくつぶします。しっかりと細かくつぶさないと、次の煮る工程でたんぱく質を十分に取り出せませんので、小分けして、しっかりと細かくすりつぶしましょう。(私はここで手抜きをしたがために、1回分の大豆をそのまま捨てるハメになりました。重要です!!) |
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4 | 【大豆を煮る】 つぶした大豆を大きな鍋に入れ、3の生呉と同量程度の水を加えて、かき混ぜながら加熱します。しっかり鍋底からかき混ぜておかないと、すぐに鍋底でコゲができます。また生呉に火がとおると一気にあふれてくるので、一度火を止め、おちついてから弱火で10分間加熱後、火からおろします。 |
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5 | 【豆乳を絞る】 ゆで汁を2で用意した袋に流し入れて、絞ります※1。写真右側の液体分が豆乳、左側の固形分がおからです。 ゆで汁はとっても熱く、やけどする恐れもあるので、絞る前に、一度家中の鍋をかき集め、小分けして冷ましてから絞るなどしてやけどを避けましょう。また一度に絞ろうとせず、小分けした方が手間なく、絞れるようです。 |
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6 | 【にがりで固める】 豆乳をかき混ぜながら弱火にかけ、75〜80度になったら火からおろし、2で用意したニガリを豆乳の様子を見ながら、ゆっくりと全体に振りかけます。ニガリが豆乳と均一に混ざるように、ゆっくりと豆乳を移動させます。全体的に沈殿物ができて透き通った上澄みができるようであれば、ニガリを加えるのを中止し、15分待ちます。 |
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7 | 【脱水する】 水分を逃がすことができるように穴が開いた型に濾過用のガーゼをぬらしてセットして隙間ができないようにぴっちりと貼り付けます。ここに7の沈殿物を入れます。 |
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8 | 200gくらいの重石を載せ、余計な水分を絞り出します。(15分位) | |
9 | 【できあがり】 水をはった容器に1時間くらい浮かべ、余分なニガリを取り除けば豆腐のできあがりです。 |
ここでの「こつ」
※1 【一気にあふれてくる】
大豆に含まれるサポニンという成分のためにこの泡立ちが起こります。サポニンは、「植物界で分布する配糖体で、糖以外の物質が多環式化合物である化合物の総称(さとの雪さんより引用)」であり、ある種のサポニンには中性脂肪を減らす効用があるかと、便秘に効くとかいわれているものがあります。
業者さんの場合、この泡立ちを防ぐために消泡材を使いますが、手作りで消泡材は使いたくありませんよね。それで調べてみましたら、食用油を数滴垂らすと泡立ちが抑えられるとの紹介がありました。これは使えるかも…。 (。・_・。)
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※2 【絞ります】
熱いのでやけどに注意します。冷めても、再加熱すればすむことなので、ある程度冷めてから絞っても良いでしょう。
※3 【にがり】
東京/大阪近辺の方なら「東急ハンズ」とかにあります。私はいつも渋谷の東急ハンズで袋入りの粉状のものを買っています。10g×15個入りで300円くらいです。あと、自分のところで豆腐を作っている豆腐屋 さんを電話帳で調べて、にがりを分けてもらうという手もあるらしいです。
にがりは海水から塩作りをした副産物として天然にがりとして取り出すこともできます。この場合、豆乳1000ccに対し、1cc強の天然にがりを使用します。塩化マグネシウム(MgCl2)が5、硫酸マグネシウム(MgSO4)が3、硫酸カルシウム(CaSO4)が2の重量比で採取できます。このうち、硫酸カルシウムは、凝固作用が緩やかで投入量をはずしてもできあがる豆腐は失敗が少ないためにがりとして使いやすく、塩化マグネシウムは凝固作用が急激、ぼそぼそで救いようのない豆腐になるため、経験を要します。豆腐業者はこれらを混合して利用するようです。
※4 【75〜80度になったら】
適温よりも高くなると、豆腐としてはすぐに固まるのですが、粒子が粗くなり固い豆腐になってしまいます。反面、適温よりも低いと、豆腐の粒子はなめらかになるものの、豆腐が固まらない恐れがあります。
参考文献
・さとの雪さんのおとうふに関するQ&A集
・北海道立理科教育センターさんのタンパク質の凝固
修正履歴 |
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