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精進料理のねっとり「胡麻豆腐」

 料理作りはかねてから体力がいるもんだとは認識していましたが、それを再認識させられる胡麻豆腐作りです。なにもここまでやらなくっても、胡麻は、『練り胡麻』として市販されているんだし、もっと楽に作ることはできるわけですが、練り胡麻を入手できる方はそこからはじめればいいわけで、『基本は市販されている食材自体を作る!! (^_^;) 』というモットーの下、汗水垂らしてみました。

 結果は上々で、ちょっとでも気に入らないと、しかめっ面をする長女でさえ、おいしいと言ってくれました。すっかり気を良くしたので、精進料理のおもしろさに取りつかれそうです。


胡麻豆腐(4人分〜6人分)の基本的な材料

皮むきごま 35g 吉野葛 45g 水 500cc

Let’s start!

作り方  
【炒る】

 ごまをフライパンに入れて、弱火で炒って香りを引き出します。

すりつぶす

 すり鉢に入れ、30分〜40分間、すり粉木ですりつぶして練り胡麻を作ります。 

【すりはじめの状態】

 すりはじめの状態です。すり胡麻として市販されている胡麻のような風合いです。

【15分後のすりゴマの状態】

 摺り初めて15分後の状態です。胡麻が団子のように固まりはじめ、すり鉢の上部にへばりつくようになります。

【30分後のすりゴマの状態】

 30分も摺っていると、胡麻から油脂成分がにじみ出し、ドロッとした練り胡麻になります。

【うらごす】

 できるだけ目の細かい裏ごし器でうらごします。この作業で胡麻のつぶつぶ感が幾分かやわらぎ、なめらかな感じに仕上がります。裏ごしは、一度でもいいですが、二度やると確実になめらかになります
 練り胡麻としては、これで完成です。

【吉野葛の用意】

 ドロッと流れ出すくらいまで、吉野葛に水を加え、練ります。残りの水は後で、加えます。

【胡麻とあわせる】

 吉野葛に練り胡麻を加え、混ぜ合わせます。

【加熱する】

 残りの水を加え、十分に混ぜ合わせてから、中火にかけます。加熱している間は、焦げ付きやすいので、しゃもじを使って、始終底から練り続けます。
 沸騰しはじめて、プクプクと泡がでるようになったら、弱火にして、このまま20分〜30分間、加熱します。

10 【固める】

 水を振りかけて湿らせた容器に流し込みます。あら熱をとってから、蓋をして、冷蔵庫で4時間ほど、冷やして固めます。

11 【できあがり】

 切り分けて、できあがりです。

12  プルンプルンのむっちりです。わさび醤油で食べるとうまいですよ。
     

ここでの「こつ」

※1皮むきごま
 皮つきのごまの場合には、ごまとたっぷりの水をすり鉢に入れ、すり鉢に指の腹で胡麻をこすりつけるようにして、浮いてきた皮を取り除きます。皮を取り除いたごまは、水を切り、乾燥させてから使います。

※2 【すりつぶす
 商売をする方や、芸能関係の方の中には、「する」という言葉を忌み嫌って、「する」ことを、「あたる」というそうです。ですから
  ・すり鉢は、「あたり鉢」
  ・すり粉木は、「あたり棒」
  ・すり胡麻は、「あたり胡麻」
  ・スルメは、「アタリメ」
と呼びます。ちなみに、室内履きのスリッパは、「アタリッパ」とも…←これはどうも嘘らしい ( ^_^)/□☆□\(^_^ )

※3 【切り分けて、できあがり
 作ってから半日後に腕が痛くなるくらい、ほとんど体力勝負の胡麻豆腐作りです。胡麻を練り胡麻にするのも重労働ですが、吉野葛を入れてから加熱しながら練るのも、大変な重労働です。こんな努力を要する胡麻豆腐作りは、禅寺では、修行のひとつとして位置づけられているようです。

※4 【なめらかになります
 
練り胡麻としては、これで完成です。市販されている練り胡麻(胡麻ペースト)も表面がうっすらと油がにじみ出ていますが、このようにして作った練り胡麻も同様に油がにじみ出てきます。これを圧搾すれば、ごま油がとれるはずなんだけどなぁ…。 (^_^;)

参考文献)

 1.仕出しの芋小/寿司常本店さん http://www2b.biglobe.ne.jp/~shidashi/ の胡麻豆腐の作り方 http://www2b.biglobe.ne.jp/~shidashi/gomatohu.html
 2.高野山別格本山・一乗院さん
http://www.itijyoin.or.jp/ 精進料理マメ知識

 


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