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陶芸教室にて電動ロクロに挑戦「陶芸体験」

 職場で陶芸に興味を持ったという同僚の奥さんの話がでた。電気窯を買うといった話がでているらしい。むちゃくちゃ面白い。そんな話を家内にしたところ、我が家にも陶芸教室のチラシが入っていたという。すぐに予約の電話をして、家にあった陶芸の本を探し出し予習に入った。本の写真と解説を元に、手を動かしながらシミュレーションもバッチリ。ワクワクしながら当日を迎えた。

 ちなみに電気窯と一口に言っても、小型のものなら10万円を切るものから、70万円くらいのものまでの間で、そこそこの日用品程度なら焼けそうである。イメージでは百万円前後かかるかと思っていたことに比べると、自宅用に1つ買うというのもまんざら悪くないかもしれない。ただ、電気窯を買うなら織部釉の還元焼成をしたいとか、置き場をどこにするかとか、、電動ロクロも揃えたい、それに思いの外高くつくデジタル温度計を含め、各種道具類に囲まれたい、いえ、揃えたいといった衝動も実現するとなると、最終的には50〜60万円程度の出費になるかもしれません。

 「いえいえ、そんなにフルスペックでの用意は不要です。大物を焼く時には近隣の陶芸教室や各市町村で活動している陶芸サークルなどに焼成をお願いすることにします!!」 と言うような思い切りをして、電動ロクロと小型の電気窯を揃えるだけにしてしまえば、出費の大幅な削減も可能で、この場合は20万円前後に抑えられそうです。
 
 他人事ながら、考えるだけでとても楽しくなってきます。がんばってください。祐○さん&奥さん。


用意しておいた物

 項番  グッズ
1. デジカメ
2. エプロン
3. 手ふき用タオル
4. 目標とするお気に入りの茶碗

 

Let’s start!

作り方 写真
【帰山窯での陶芸教室】

 帰山窯は、住宅地の中にありました。ネットで調べてみると、由緒ある窯元らしい。

 帰山窯の井 通(いたか とおる)先生。いろいろと細やかに教えてくれました。

 おかげさまで初心者の私も、安心して陶芸体験をすることができます。

 壁のサンプルは、陶芸用の粘土と、釉薬の組み合わせ。酸化焼成と還元焼成のセットで掲げられていました。
 外光もたっぷりと注がれる好立地で、自然光の中で陶芸を体験することができます。

 細やかな細工に使うのでしょうか、道具もたくさん用意されていました。

 樽には、うわぐすりとして使う釉薬がたっぷり。
 高台を削るときの土台のようなもの(湿台:しった)も。
 粘土で汚れた手は、まずは桶で泥を落とし、最後の仕上げに水道で洗い流して下さい、とのこと。

 水道管のつまり予防だそうです。

【荒練り】

 さて、ここからが陶芸体験の始まりです。

 1回の陶芸体験では2kgの粘土を使うみたいで、秤で量ったものに少量の水を加え、練り始めます。

 まずは先生が見本でこねてくれました。それをみて、もう1つの粘土をこねるところから入ってみました。初めは固かった粘土も練っていくとだんだんと柔らかい粘土に変わっていくのがわかります。
10 【菊練り】

 荒練りのあと、菊練りもしました。横にならんで同じ手つきを真似ようとしましたが、一朝一夕にできるものではなさそうです。この菊練りはもちろん先生のもの。私の練ったものは、菊練り特有の文様がつかず、形は崩れていくばかり。。。

11 【ロクロ挽きの準備 土殺し】

 菊練りの終盤には、菊模様の左にあったにぎりのような形になっている粘土がだんだんと大きくなり、全体がそのにぎりのような形になってできあがりでした。

12  電動ロクロの中心部に粘土を「ドシャッ」と投げつけて、そのあと、ロクロをゆっくりと回転させ、中心をあわせるように粘土の周囲をペシペシと叩いていきます
13  中心がとれたら土殺しにはいります。粘土を上にのばしたり、元の固まりに戻したりをセットにして、3回ほど繰り返すのです。
14 【土殺し 上にのばす】

 粘土を手のひらで包み込みます。

 ひじを太ももに乗せているだけに見えますが、足でもひじを押し込み、粘土を押さえ込んでいくような動きをさせているとのこと。

15  ドベと言われる水っぽい粘土を表面に塗りつけながら、グググッと引き上げていきます。
16  先生は簡単にのばしたように見えましたが、自分でやってみると、これがなかなかうまく伸びない。

 表面に塗りつけたはずのドベが押さえつけた手のひらからこぼれてしまい。すぐにザラザラ音が響きだしてしまう。つまり粘土は、滑らず、削れてしまっている模様。

17  タワーのようにそそり立っているこの粘土を作れるだけでも尊敬してしまう。
18 【土を下げる】

 次には、粘土をわずかに横に倒しつつ、親指の根っこ部分を使って粘土を押さえ込んでいく

19  わずかに横に倒すことで、きれいに縮んでいくという。
20  これは初心者の私にもできた。上に伸ばすよりもまだ望みはある。
21  グイッと押さえつけて、縮ませる、、、だけ。
22  固まりに戻ったらできあがり。これを先生は3回ほど繰り返しました。
23 【土取り:土台作り】

 本日の製作目標となる茶碗を家から持参し、こんな大きさのものを作りたいと伝えたところ、工房にあった同じサイズの見本を見せてくれました。写真の竹ひごで示しているのは、焼成する前のものと完成品との差がわかる計測器。

 1センチメートル弱ほども焼き縮みしていることが見て取れました。これなら、目標とするサイズもわかりやすい。かなり大きめに作らないと、できあがりは萎んでしまうことがわかった。

24  作る大きさに合わせて、土取り(粘土をとるように土台を作ること)を行います
25  真ん中に親指でくぼみを作ります。 
26 【縁の立ち上げ】

 手についた水っぽいドベをかき集めます。これは重要。

27  そのドベを土台の内側になるところに塗りたくっておきます。こうすると手と粘土との摩擦が減り、滑らかな仕上げになるという。
28  右手を添えて変形しないようにしつつ、左手の親指と中指で縁を立ち上げていきます。
29  縁を立ち上げる度に、口の部分を平にして、形を整えます。
30 【胴を薄くのばす】

 右手の中指と左手の中指で粘土の厚みを意識しながら薄くしていきます

31  右手と左手はお互いを固定させるとブレがでないようです。

 ブレがでてしまうと局所的にたわみができて、急激にグシャグシャになるかも。

32  上まで伸ばす毎に、口の部分を水平に、かつ、形良くそろえ、強度を保ちます

 これを何度か繰り返します。

33 【なめし革で締める】

 目標の形になったら、なめし革を水に浸して柔らかくしたものを用意します。

34  なめし革を、口の形になるように指で挟みながら、滑らかに仕上げていきます。
35 【高台の土を下げる】

 内側をのぞき込み、高台に削る部分の見定めをして、指で削っていきます。

36 【糸切り(しっぴき)】

 最終段階の糸切りです。糸を水で濡らし、 ロクロは止まる直前のようなゆっくりとした回転にします。

37  糸を水平に持って、粘土に沿わせていきながら、粘土に食い込ませていきます。
38  ある程度糸が粘土に食い込んだところで、右回りの場合、左手から糸を離すと糸が粘土の回転によって、くるりと巻き込まれていきます。

 ちょうど一周したところで、右手の糸をそのまま水平に引っ張るだけで、アラ不思議、切り取ることができます

39  切り取った先生のお椀。
40  お椀を切り取られた粘土。水平にきれいな切断面になっていました。
41 【陶芸体験用 土台作り】

 長らくお待たせしました。ここからが陶芸体験本番です。土取りまでは先生がしてくれました。

42 【陶芸体験 茶碗】

 で、いきなりですが、茶碗の完成です。

 陶芸体験は2時間半あったので、時間が残っている間は、作ってもいいですよ、との先生の言葉に甘えて、どんどん作りました。

43 【陶芸体験風景】

 ぐい飲み、ビアマグをセッセコと仕込み中。写真はビアマグの製作風景。

44 【陶芸体験 茶碗とぐい呑み、ビアマグ】

 できあがりです。焼き縮みすることは頭ではわかっていても、できあがったものは、イメージしていた大きさそのもの。これでは焼き上がると、ずいぶん小さなものになるカモ。

 それにしても、すっごく楽しかった。こういう体験ものは、チャレンジする気持ちがないと、なかなか踏ん切りがつかないものですが、やってみるとめちゃくちゃ面白い。ぜひ、お近くの陶芸体験に積極的に参加されてはいかがでしょうか。 

     

ここでの「こつ」

※1 【帰山窯
 連絡先 090-2910-0569
 e-mail kizan-gama@nifty.com (※左の@を半角の@に置き換えてください。)
 所在地 
 〒216−0031 神奈川県川崎市宮前区神木本町4-23-16
 ホームページ 帰山窯 はこちら

 陶芸体験の価格は、「時価」みたいなところがあるので、お問い合わせして頂くことになりますが、5千円未満で2時間程度となっているようです。夏休み中の子供体験用で3,000円とか、親子で5,500円というのも見つけました。
 いろいろ調べた後も、ここ帰山窯さんが魅力的な価格設定にしてくれていたことがわかりました。一度お問い合わせしてみてはいかがでしょう。

 全国の陶芸教室はこちらから探すことも出来ます。

※2 【陶芸体験
 電動ロクロと手びねりを選べましたが、七輪陶芸で経験したことのある、手びねり、つまり手動のろくろには目もくれず、迷うことなく電動ロクロを選択。工程としては、このあと、乾燥〜成型(高台の削り出し)〜素焼き〜施釉〜本焼きと続きますが、体験コースではこれらは先生が代行してくれるらしい。先生はかなり大変カモ。

※3 【ちょっと揃えてみました】
 電動ロクロと還元焼成ができる電気窯の2011年7月時点の費用感です。参考まで。
 ちなみに我が家で日常的に使っている銘々用の大きめの皿が24cm、カレー皿が21cmですので、下記の電気窯(炉内寸法:径24cm)なら焼ける?かな。
 完成品のサイズが24cmということは、焼成の焼き縮みを考慮すると、素焼き前は25〜26cmだったということになり、できあがり24cmサイズのものは焼けないカモ?? ちょっとギリギリアウトの微妙な大きさかもしれません。カレー皿も焼けないか!?

項番 分類 画像 メーカ 型番 値段 サイズ他
1. 電動ロクロ グット電機 電動ろくろ らくらく2型 ドベ受付 \52,080 モーター : 単相100V 110Wコンデンサー起動 
テーブル回転数 : 無段変速 50Hz 0〜190r.p.m 60Hz 0〜230r.p.m 
テーブル仕様 : 鋳物製 径25cm 
テーブル回転方向 : 左右可能 
変速操作 : レバー(無段変速) 
手ろくろ使用 : 使用可能
 
寸法 : 幅31×奥36×高27cm 
重量 : 24kg 
付属品 : ドベ受け付
2. 収納場所に保管しやすいコンパクトな電気窯 日本電産シンポ製 マイコン付小型電気窯 Petit プティ DUA-01 本体 \153,000 酸化焼成用です(還元焼成はできません)

外形寸法:幅475×奥行540×高498mm(上扉を開けた時、高870mm)
炉内寸法:径240×高200mm
炉材:耐火レンガ 無臭無煙ボード
質量:35kg
電気容量:1.4kW
電圧・電源:単相100V 50/60Hz 14A
最高使用温度:1300℃(常用1250℃)
焼成方法:マイコン焼成装置(焼成コース)
熱線方式:コイル式
付属品:棚板(径210mm)2枚 支柱 L型 60・120mm 各3本

合計価格 \205,080  

 

 
 

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