陶芸体験の頁へ  最初の頁へ戻る 

七輪陶芸には不可欠「七輪補修」

 これまで焼き肉だけに使用していた七輪は鉄の部品こそ2〜3年で錆びていましたが、本体部分はなんの問題もなく実に10年弱もの間利用してきました。しかし七輪陶芸を初めてからはその耐熱度をはるかに越える高温のために七輪の本体は溶融し、深さ2cm以上の溝が多数できてしまいました。そのため最も高温になる胴体上部では七輪の主成分である珪藻土が変成し、変色した部分が外側にまで見えるようになりました。
 このままでは七輪の強度が極端に劣化し、最悪の場合、焼成中に七輪が焼け溶けて、上に置いているミニ窯共々横転する危険性があります。また七輪の珪藻土は溶けて気化しているらしく、作品自体にも沢山のシミを付けていました。

 そこで七輪の補修を兼ねて表面の珪藻土を道具土で覆ってしまうことにより、強度を高めかつ、珪藻土の付着による作品への汚れを防ぐということを目的とした七輪の補修をしてみました。結果は、強度の改善は目に見える効果はまだありませんが、緑色や黒色の珪藻土の付着はなくなったようです。


七輪補修用品リスト

道具土 2Kg程度

Let’s Go!

作り方  
【七輪陶芸による本焼きを5回くらい行った七輪】
黒くなった部分は珪藻土が溶融し、深い傷になった部分です。七輪の手前部分に溶融している箇所が伸びているのは、上置きのミニ窯との間にわずかな隙間があり、焼成中に炎がここを通過したためです。
【溶融箇所の傷の深さ】
七輪に刻まれた溶融による溝は、2.5cmにもなっていました。このまま継続して使用していると、七輪が割れてしまう恐れは十分にありました。
【道具土による補修】
単純にタタラのような粘土の板を張り付けただけでは剥がれる恐れがあるので、道具土をひも状に伸ばして、溶融した溝に隙間ができないように押し込みながら表面を覆いました。溶融による傷は複雑な形状をしているので、道具土が剥がれるようなことはないはずです。
【道具土を覆った状態】
道具土を張り付けて補修を完了した状態です。溶融している箇所は全て道具土で覆いました。
【乾燥後のパッチあて】
乾燥収縮が小さいと言われる道具土ですが、やはり乾燥割れが沢山できました。この割れ目を放置すると、本体である七輪の珪藻土に熱が直接当たってしまうため、やはりつまようじで道具土をねじ込んで塞いでおきました。
【補修完了時】
ミニ窯で本焼きをした後の状態です。細かいものをのぞけば特に目立った亀裂もなく、この七輪も使い続けることができそうです。ただ、強度不足の心配は拭えなかったので、一番大きな外周部と、高温になって変色していた胴体部分には、太い針金を巻いて補強することにしました。

 

     

 


陶芸体験の頁へ  最初の頁へ戻る