うま味たっぷりの万能調味料!「塩麹」 |
塩麹のスゴイところは、単に塩味と甘味ということではありません。麹に含まれる酵素が米を分解する際に、数多くのアミノ酸を生成します。NHKのあさイチの紹介では、昆布だしでは7種類、うま味調味料11種類に対して、塩麹では、19種類のアミノ酸(別府大学食物栄養科学部教授 岡本啓湖先生調べ)が含まれているとのこと。酵素の種類もなんと120種類!!
昔から日本の調味料として使われてきたみりんですが、このみりんで味付した場合と、単に砂糖で甘みを付けたものとでは、大きな違いがでます。砂糖では表面的な甘さしか付加しませんが、みりんでは、米のでんぷんが分解されて生成する甘みに加え、米のタンパク質を分解して生成される複雑なアミノ酸が寄与して、ふくよかな味わい深さを呈することができます。
このみりんの奥深い味わいも、米麹が使われることで成立しています。今回の塩麹のブームを一過性のものとせず、ぜひ、みりんなど日本に古来から伝わっている伝統的な調味料の見直しにつなげ、基礎調味料として確固たるものとなることを願ってやみません。
塩麹の基本的な材料
乾燥麹 200g (生の麹の場合は、250g) |
塩 65g | 水 300cc |
※参考情報 ・米を栽培する方法はこちら ・米麹を手作りするレシピはこちら ・塩を手作りするレシピはこちら |
Let’s start!
作り方 | ||
1 | 「みやこ こうじ」などの乾燥麹を用意します。 Amazonではこちら で買えます。
生麹を用意した場合は、項番4までジャンプします。 |
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2 | 乾燥麹は、固まりになっているものが多いので、バラバラにする手間をかけます。 | |
3 | 手のひらを使って、もみほぐします。 | |
4 | 鍋に水を計り入れ、分量の塩を加えて、いったん沸騰させます。 | |
5 | 沸騰させた塩水は、60度以下まで冷まします。
万一、60度以上を超過したまま麹と混ぜると、肝心の麹の酵素が破壊され、塩麹にならなくなってしまいます。 |
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6 | しっかり60度以下まで冷ました塩水を麹に加え、混ぜ合わせます。 | |
7 | 塩水を含ませた麹を、発酵容器に移し替えます。
お勧めは、ジップロックなどの密閉できる袋です。蓋をしたまま混ぜることができるので、洗い物がでません。(タッパーなどの容器を使う方も多いようです) |
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8 | 余分な空気をできるだけ追い出し、ぴっちりと封をします。 | |
9 | ジップロックなどに封入した塩麹は、このまま1週間から10日間ほど、常温で発酵させます。
(写真では、封入した塩麹をタッパーに入れていますが、こうすることで転倒を防止し、万一の場合にも回りを汚さずに済みます) |
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10 | しっかりと発酵がすすむと、はじめ米粒の1粒1粒がはっきりしていた麹が、ドロドロに溶けて、原形を留めない状態に到達します。 | |
11 | できあがった塩麹は、いろんな料理に調味料として使うことができます。
使用する際の分量としては、みそで調理する場合の60%程度と考えるといいかもしれません。NHKでは、肉の10〜13パーセントの重さの塩こうじを使うと紹介していました。 |
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12 | うま味たっぷりの万能調味料として、何にでも使えますが、とりあえず野菜炒め、焼き魚、etc.と、試してみましょう。
保存は、常温でも3ヶ月もつということですが、冷蔵だと6ヶ月です。ここはぜひ冷蔵保存することにしましょう。なお、保存中に、産膜酵母が混入することもあるので、随時、全体を混ぜ込むか、余計な空気を遮断するようにします。 |
ここでの「こつ」
※1 【ぴっちりと封をします】
空気中には、酵母菌や納豆菌など、さまざまな菌が浮遊しており、もし酵母菌(特に酢酸エチルを発する産膜酵母と呼ばれる白い菌)が混じると、味わいを劣化させてしまうだけでなく、臭くなったり、見栄えも悪くなります。場合によっては、アルコール発酵したりして、袋を膨満させることもあります。
見栄えも臭いも悪いこの産膜酵母ですが、実は発酵食品をおいしくするキーマンだったりもします。この産膜酵母は好気性細菌であり、空気に触れさせると、真っ白に繁殖し、臭いも発する悪者になりますが、産膜酵母は、中に混ぜ込み、空気の少ない環境に押しやってやると、芳醇な香りを醸し出す優等生だったりします。このような産膜酵母の働きにより、糠漬けではうま味が増しています。
※2 【警告】
注意喚起です。手作り食品のなかでも発酵食品は、器具や器具を扱う手などに雑菌がついていると思わぬ事故を招く場合があります。衛生には十分に気をつけて、楽しい食品づくりを心がけるようにしましょう。また、嫌な臭いがちょっとでもしたら口にするのは止め、廃棄する勇気をもちましょう。何事も自己責任の意識をもって行動してください。
参考文献)
1. NHKのあさイチ にて紹介された、麹料理研究家の小紺有花さんレシピ
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