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太陽光を使った省エネ体験「ソーラークッキング」

 諸外国では2000年問題のために、送電やガス供給などが停止した場合に備えて注目されていたソーラークッキングを、晴れた日曜日となった1999年の5月30日に実験してみました。起床早々、日差しのゆるい中でかつ、ベランダの格子越しの光という悪条件下で、「ビニール傘で作る太陽光集熱装置」の傘を広げ実験を開始したところ、みるみるうちに温度が上昇し、あっという間に70度になりました。これは十分期待できるぞ!


太陽光集熱測定実験の構成品

太陽光集熱装置 のりの缶 ペットボトル めばりテープ ひも

作り方  
 表面が黒っぽい色をしたのり缶にたまごを入れ、「簡単ゆでたまご」の要領で水を入れます。
 のり缶にふたをして、上下を切り離したペットボトルに入れ、ペットボトルをテープでつなぐと共にめばりします。今回は温度上昇曲線を測定したかったので温度計も使用しています。
 「ビニール傘で作る太陽光集熱装置」の傘の柄の部分にもたれかかせるようにペットボトルを設置し、横ズレしないようにひもで傘の骨に固定します。
 結果はご覧のとおり、ゆでたまごができました。測定中、ペットボトル部分は測定開始15分後に80度まで上昇したことを確認しましたが、ゆでたまごが入っていたのり缶の内部はさらに高温になったようで、たまごは局所的に焦げていました。
     

 【太陽光集熱実験結果報告】

1.測定条件
 測定は朝8時と昼12時の計2回行いました。それぞれの測定条件は以下のとおりです。

  朝8時 昼12時
測定日 1999年5月30日
測定開始時間 午前8時 午後0時
測定地区 千葉県千葉市
室外気温 26度(東向きのベランダ) 28度(屋外)
風速 無風 2〜5m/秒
天候 晴れ 晴れ
その他 ベランダ格子越しの日光 直射光

2.測定結果
 ペットボトル内部の温度測定結果は下図のとおりです。(のり缶内部は測定していません。)

3.考察
 日光が弱い朝の時間と昼の計2回を測定した結果、興味のある結果が得られた。
朝8時の測定では、室外気温は低くベランダ格子越しの弱い光であるため、初期の温度上昇率は、昼の測定結果に比べてなだらかである。しかし、昼の温度上昇率がすぐに頭打ちの状態となり、温度上昇が緩やかになるのに比べて、朝の測定結果ではリニアな温度上昇が比較的長く継続している。
 これは測定環境の一つの「風」が影響したと考えられる。朝の測定時には無風だった風が、昼には2〜5m/秒前後となっている。このことにより昼の測定結果では65度で頭打ち状態となった。このことから、ソーラークッキングでは集光した熱エネルギーをいかにして蓄熱すべきかという極当然の問題が明らかになった。
 しかし、ペットボトル内の温度がそのままのり缶の内部温度上昇曲線と一致しているかどうかは実際ののり缶の内部温度を計測する必要があり、温度上昇が頭打ちとなったために、調理が不能になっているのかどうかはさらに実験を重ねる必要がある。

 【続報】
  6月6日(日曜日)にのり缶の内部にさつまいもを入れて焼き芋を作りました。このときには外気温にさらされるペットボトル部でさえ、
90度を越えていたので、煮物も問題なく調理できることがわかりました。焼き肉とかの焼き物は無理としても、煮物ができるようになったことで調理できるメニューの幅がかなり広がりました。

 
 

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