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くず野菜をつかって「紙すき」

 「紙はどうやって作るのかな」
 日常生活で使っている紙の作り方について、原理を知っておいてもらいたいと思い、子供に紙すきを体験してもらうことにしました。ちょうど夏休みの自由研究にもなることから、すき枠は前もってパパが自作おいて、あとは紙すきをするだけにしておけば、小学生でも簡単…。 と思ったら大間違い。

 繊維を取り出すために、石でコツコツと打つ工程で、予想外の時間がかかってしまい、当初計画した、「キャベツ」、「とうもろこし」、「ネギ」などいろいろな紙を作ることは断念し、ネギの紙だけをつくることにあいなりました。紙すきの次は、使用済みの油から石けんを作ったり、食べた玉ねぎの茶色の薄皮を使った草木染めも予定していたのですが、さしずめ無期延期状態です。


紙すきの材料と器具

くず野菜(ここではネギ) かたくり粉 小さじ1/2 ぬるま湯  50cc
すり粉木 すり鉢 石 または 金づち
すき枠 (なければ、ふるいと、枠にするための粘土や、小麦粉の練ったもの)

Let’s Go!

作り方  
【ネギの下準備】

 ネギを縦に切り開き、内側のぬめりを包丁の刃の部分でこそぎ取ります。ネギが透けて見えるくらいになるまで、しっかりととりましょう。

【粗くすりつぶします】

 ネギを3〜5cmくらいに短く切ってから、ネギの繊維をバラバラにするために石や金槌で叩きます。この紙作りのなかで一番時間をかける工程です。しっかりやっておかないと、4のすり鉢で摺り潰す工程が大変になります。

【水分を絞り取ります】

 ある程度すりつぶしたら、ネギをさらしに包んで余分な水分を絞り出します。上記の3とこの工程を何度も繰り返します。

【細かくすりつぶします】

 繊維が細かく分かれてきたらすり粉木でさらに細かくします。

【のり化】

 80度前後の湯に片栗粉を加えて、のり状にします。ちょっとネバっとしたらのりのできあがりです。

【繊維とのりの混ぜ合わせ】

 のりに繊維を入れて、混ぜ合わせます。

【すき枠への流し込み】

 すき枠の網の部分がちょうど浸かるくらいの水を入れたバットにすき枠を沈め、紙の材料をすき枠に流し込みます

 すき枠の隅々まで、均等になるようにスプーンの裏などを使って拡げます。
【水分の吸い取り】

 すき枠を水から取り出し、枠を取り外してから布の上にひっくり返し、網の裏側から乾いたタオルを当てて、余分な水分を吸い取ります。

10 【乾燥】

 すき枠から剥がし、さらしの布につけたまま、生乾きの状態まで乾燥させます。完全に乾いてしまうと、くっついて剥がしにくくなるので、生乾きのうちにさらしの布から剥がすようにします。

11 【アイロンをかける】

 徐々にアイロンをかけます。アイロンを弱にしてかけては、布からはがして剥がれるのを確認し、さらにアイロンをかけるというのを繰り返します。一度に乾燥させようとするとくっついて剥がれなくなります。

12 【できあがり】

 アイロンをかけ終わった状態です。この状態で1日干します。干し終わると、ネギ繊維の収縮率の不均一さから凸凹になってしまうはずですので、霧吹きで水分をさっとかけてから再度アイロンがけしましょう。きれいに平らにすることができます。

13 【自由研究】

 紙すきの工程を模造紙にまとめて、夏休みの自由研究のできあがりです。よくがんばったね。ごくろうさまでした。でもあと考察と感想をつけてほしかったな…。来年に期待しようっと p(^^)q

     

ここでの「こつ」

※1 【すき枠に流し込みます
 
すき枠は自作しましたが、なければ(ないのが普通…(^_^;) )、ふるいを使ってもいいでしょう。紙を剥がすときに枠が付いていると剥がしにくいため、紙の材料を流し込むときには、ひっくり返して枠のあるほうを下にして使います。そして紙にしたい形に土手を作って、そこに流し込みます。土手は粘土や、粘土がなければ小麦粉を練って棒状にしたものを使ってもいいでしょう。小麦粉で作った土手は、役割を終えたら、焼き麩を作るなどして、有効利用しましょうね。

参考文献)

 小学館 生活探検大図鑑 〜野菜で紙をつくろう〜  ISBN4-09-213121-6

 


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