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周辺の状況 |
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【富士スバルライン 15:22 】
毎年富士スバルラインではマイカー規制があります。今年2005年は7月27日午前0時から8月31日の24時までが規制期間でした。
規制が始まると、マイカーは、誘導員によって最寄りの駐車場に導かれ、そこからシャトルバスに乗り換え、五合目まで向かうことになります。往復の料金がかかるので懐は痛みますが、五合目駐車場の満車を気にせずにすむというメリットもあります。
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【車窓からみた風景】
富士スバルラインは樹海を走ります。植生も徐々に変わっていくようです。五合目が近くなると、車窓からも富士山頂がみえるようになります。
外にでると平地よりも14度程度低い気温になっています。
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【五合目のバスセンター】
この画面左側のちょっとさがったあたりに公衆便所や総合管理センターがあります。出発前には「無料」のトイレで用を足しておきましょう。これより上は大便/小便に関わらず、トイレ1回あたり100円(設備維持料として)が必要となります。
総合管理センター(TEL 0555-72-1477)で、「亀歩き」を伝授いただきました。富士登山では、うさぎと亀では、亀の方が早い。うさぎさんはパッパと進むけれども、体への負担が大きく、休憩をとりがちになる。ところが、亀さん歩きでゆっくりと進むことで休憩の回数を減らすことができ、結局は着実に前進することができるため、早く頂上を目指せるとのこと。これはいいことを聞いた。実行するっきゃない。
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【お馬さん】
河口湖口(六合目からは富士吉田口と合流)の場合、五合目から七合目までは、お馬さんに乗って登ることができます。お馬さんに乗って、六合目までを往復するだけなら、服装や装備も気にしなくていいですね。六合目まで6,000円 七合目まで12,000円。
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【登山道入り口 16:18 】
五合目のバスロータリーを奥へ進むと登山道があります。ここから富士登山が始まります。
「普段あいさつをしない人でも、山に入るとあいさつをするんだよ」と、子供に言って聞かせると、元気に「こんにちは!」を連発していました。知らない人から返事を返されるのが新鮮だったようです。
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【登り道 16:32 】
登山道入り口から泉が滝付近までは、延々と下りが続きます。えーっ、こんなに下がるのもったいなーい、と進むこと約15分、分岐があり、登りが始まります。右の登りへ進むと六合目、左の下りへ進むと佐藤小屋や星観荘、経ヶ岳へ行くことができます。
当然今回は登りの右ルートを選びます。
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【馬糞】
お馬さんの置きみやげがこの馬糞です。あちらこちらに落ちていますので、注意して歩きましょう。
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【六合目 16:57 】
六合目の富士山安全指導センター(TEL
0555-24-6223)では、登山道の地図を配ってくれていました。
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【物資輸送】
山小屋への物資を運ぶブルドーザーです。これを使って、飲料や食料、燃料を運び上げているのです。
山の上になるほど、食べ物の値段が上がるのは致し方のないこと。というよりもこういった方々のサポートがあって、はじめて安全に登山ができるのです。感謝。
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【登頂ルート】 上を見上げると、本八合目にある山小屋(富士山ホテル)が見えました。あの山小屋まで、ここから4時間45分もかかるなんて信じられない。
長女曰く、「ほうきに乗って、ピューって飛んで行ければ楽なのになぁ。」
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【登山道の砂利】
七合目までの登山道は、踏み固められた砂状の部分は歩きやすいのですが、一部、親指大ほどの石っころがごろごろとあったりして、ちょっと一苦労する場面もあります。
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【亀の歩みと、歩き休み】
七合目が間近に迫るといきなり岩場になります。
ここら辺から、長女がへたり始めたため、五合目の総合管理センターで教わった亀さん歩きをさらに推し進め、「歩き休み」を実行しました。
「歩き休み」とは、私が長女の後ろで「右足だしてぇー」と声をかけ、1、2、3と数えます。また、「左足だしてぇー」と言って、1、2、3と数える。これを繰り返すことで、一歩進むことで消耗する体力を、次の一歩までに回復させ、ギブアップしかねない長女にやる気をださせる方法です。これを読んだだけでは、信じられないかもしれませんが、実際に登山していると、こうまでしないと足が前にでないのです。
これを長女がへばるたびに実行し、体力が戻れば自由に歩いていいよ、というルールにしました。この結果、山小屋と山小屋の間での登山道では休憩はなくなり、各山小屋のベンチに座っての休憩も数分〜15分程度に収まり、着実に高度をかせぐことができました。(じっと止まっている間のバランスを保つため、トレッキングポール(ストックなどの杖類)がとても重宝しました)
実際、後で本人に聞いたところ、歩き休みをはじめてからは、そんなにつらくはなかったし、なんとかなると思ったと言っていました。体力って歩いている最中にも回復させる時間を与えれば、いくらでも歩き続けられるもんなんですね。それにしてもよくがんばった。みんな偉いぞ。
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【七合目 18:25 】 七合目に入ってから、花小屋、日の出館、七合目トモエ館、鎌岩館を通過し、富士一館で宿泊することにしました。(18時25分)
この日はこの上の鳥居荘、2個上の東洋館が満室とのお話。こういった満室情報を早い目に入手することも富士登山では重要なことだと思います。連休やお盆などの繁忙期を除けば、満室でも泊めてくれないことはありませんが、布団1枚を1人で占有できるかどうかが変わります。
※逆に言えば、連休やお盆などの繁忙期は予約なしでは泊まれないこともある、ということですから、こういった時期に山小屋を利用されるつもりの方は予約をお忘れなく。(写真は翌朝の布団干し時のものです)
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【山小屋(富士一館)の寝室】 2段ベッドになっており、布団が敷き詰められています。今回は布団に余裕があったので、1人で1セットの布団(2つの枕)を占有できました。
値段はどこもほとんど同じで、税込
素泊まり 5,250円、1泊夕食付 6,300円、1泊2食付 7,350円のようです。(実際に泊まるときは要確認)
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【山小屋(富士一館)の内部】
山小屋には、飲料や食料、軍手など富士登山に必要な物資がひととおり揃っています。値段は前述のとおり、荷揚げに費用がかかっているので、それ相応の価格ですが、妥当なものだと思います。
カレーライス1,200円 ラーメンやうどん600円 みそ汁やコーヒー400円など。
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【登山杖への焼き印】 登山杖に焼印してくれるお兄さんです。富士一館では、バイトの兄ちゃんが登山者から杖と料金を受け取り、中にいる方に杖を渡し、焼印専門の方が囲炉裏の炭火で真っ赤に焼けたコテを使って焼印を押していました。
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【夕飯 19:07 】 夕飯はもちろんカレーライスでした。富士一館のご飯が特においしかったので聞いてみると、経営者が千葉の木更津の人で、自宅でとれたお米を使って圧力鍋で炊いたとのことでした。
他にもわらびや天ぷらなどを付けてくれました。お茶のおかわりまでサービスしてくれたので、水分補給もばっちり。
夕食後、翌日の登頂にむけて、一家揃って、20時30分には就寝しました。
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【ご来光 4:46 】 翌朝、4時46分にご来光を拝むことができました。(表口登山道からは見えません) ご来光の目安は、
5月〜6月が4時20分〜4時50分
7月〜8月が4時30分〜5時10分 です。
※当日の御来光の時間は山小屋の方に必ず確認してください。
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【登山2日目 7:05 】
ぐっすりと眠ったのでしょう。6時には全員が自発的に起床し、朝食として持参したおにぎりを食べた後、7:05
に七合目の富士一館を出発。
鳥居荘を通過後、七合目最上部の東洋館を 7:33
に通過しました。
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【登山ルート】
登山ルートは、下からみると全くの岩場に見えますが、上から見下ろすと、所々、踏み固められた地面っぽい部分もあります。
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八合目の太子館 8:03、蓬莱館
8:15で小休止後、白雲荘までの登り道です。岩がごろごろしており、踏ん張り方によっては、ズルッとずり下がることもあって体力を消耗します。
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白雲荘
9:01
からみた下方向の景色です。つづら折りに登山道が延びています。ずっと続くのでかなりつらかったです。
抜きつ抜かれつ登っていたラグビー部の高校生が後輩に向かって、「やってらんねぇよ。お前ら、よーく考えてみろぉ。こんだけ苦労して登っても、またそんだけ下んなきゃなんねぇんだぞーっ。俺はよーっ、ひとこと言いたい。富士山は登るモンじゃなくって、眺めるもんじゃぁああっ!」
山梨県立K高校ラグビー部のみなさん、楽しませてもらいました。ありがとう
\^o^/
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山肌が赤茶けて見えるのは、富士山の石がこのような赤い色をしているためです。
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また、山の天気は急激に変わるものですが、富士山も例外ではありません。急にガスに覆われることもあれば、雨になることもあります。雨具の用意は必須です。
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【本八合目 10:14 】
本八合目に位置する富士山ホテルの直前です。石の階段になっていますが、ところどころ段差が大きい部分や砂利に埋まっている部分があるなどします。踏ん張りながら登っていきます。
富士山ホテルは標高3,360mに位置しており、日本で第2位の北岳ですら
3,192mですから、ここはすでに日本一の高さになります。これを真っ先に山小屋の人から聞いた次男は、さも自分が知っていたかのように、私たちに話してくれました。
山小屋の人曰く、 「おい、ぼうず。それは今、おじさんが教えてやったことだろ。」
一方、別の人曰く、「そりゃぁ一度聞いたものは、もう自分の知識だよな。」とも。
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【外人さん】
富士山はインターナショナルな山です。日本人かと思って話しかけると、中国語や韓国語が返ってきたりします。もちろん欧米人もたくさん登ってきます。
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【九合目 11:36 】
鳥居の割れ目には、願掛けのお賽銭がいっぱい。でも高額のコインはありませんでした。 (^_^;
ここまでくると入道雲の上部でさえ、眼下に見えます。
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【うさぎと亀】
重そうな荷物を背負った自衛隊の方々と、5度すれ違いました。こちらは亀の歩みを続けているので、ザッザッザと追い抜かれては、道ばたで休憩している彼らの横を追い抜いていくということを繰り返したのです。その度に「こんにちは」を繰り返したので、あいさつに疲れ気味…。
彼らは、小柄な小学2年生の次男を見て、「こんなに小さな子も登るのかよ。」と、ややため息まじりで言う場面も…。 ヽ(^。^)丿
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【頂上 12:24 】
白い鳥居が見えます。頂上です。団体で先に到着している人たちが仲間が来るたびに、「そこからダッシュしろーっ!」 とか無茶なことを言っていました。中にはノリノリのヤツがいて、それに応えて本当に猛ダッシュ。高山病は大丈夫なのか心配してしまいました。
私たちはこの後久須志神社にお参りして、頂上の朱印を押してもらい、昼食として800円のインスタントラーメンを食べました。インスタントのラーメンがでてきても高いと思わないから不思議です。
山頂では、ドコモの800MHzとJフォンが使えるようでした。(auはつながらないようです)
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【下山 13:55 】
頂上の直前くらいから頭痛が始まっていたので、直径600mの火口は見るだけにして、お鉢巡り(1周約3km、所用時間1時間30分)はせず、すぐに下山を開始。
13:55
下山時には、砂埃が舞い上がるので、マスクを着用しましたが、呼吸時の酸素不足につながったように思います。マスクをはずすと、ちょっとだけ頭痛がやわらぎました。
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子供達はスイスイで下っていきます。登りがつらそうだった長女も、下山はなんの苦もなかったようです。
それに比べ、パパとママはヘトヘトのドロドロ。下りでかかる自分の体重を支え切れません。あっというまにひざがガクガクになったため、一歩一歩が子供よりも小股となってしまい、あれよあれよという間に子供が視界から消えていきます。つづら折りを2つ3つ曲がると子供達が退屈そうに待っており、いっしょに出発するといった具合です。
そんなことを何度となく繰り返していると、長男がすぐ後方からついてくるのがわかりました。「ハハァーン、こいつも結構バテているのかも。」と思っていると、「パパ、遅いねぇ。下りはこうやって大股で歩くんだよ。」と言いながら、ズザァー、ズザァーと砂をまき散らしながら力強く下って行き、またしても、あっという間に消えてしまいました。オイオイ、そんなことを言うために、ついて来ていたのかよ。
家内には、「なんでこんなつらいことやらなきゃいけないの?」と泣き言を言われましたが、「ごめん。富士登山は下山がつらいことを忘れてた。」 と応えるハメに…。実際、喉元過ぎれば熱さを忘れる、といった感じで、富士登山という強烈な言葉が持つ良いイメージのために、下山のつらさをすっかり忘れていたのです。面目ない。
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【吉田口と須走口の分岐 14:42 】
下りで心配なのは、折り口を間違えないかという点です。吉田口の場合、途中で須走口への分岐があるので、子供が先行する場合には特に注意が必要です。
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【五合目到着 17:54 】
五合目の近くになると、これから登る方々と何度となくすれ違います。「こんにちは!」と声をかけながら、「これからこの人たちはしんどい思いをするんだ」 という思いが頭の中を駆けめぐり、気の毒に思ったり、物好きだなぁと思ったり。ましてや、雨でも降ろうものなら、どうなるんでしょう。そうでなくってもズタボロになったのに、想像の域を超えてしまいます。
頭痛に襲われたパパとママは五合目までずっと頭痛のままでした。高山病は高度をさがれば治るといいますが、五合目程度では復帰しませんでした。
この頭痛は、しゃがんだり、横たわろうとするとよけいに痛みが強くなり、吐き気までもよおしたため、仕方なく、休憩もせず、ひたすらに下り続けました。
五合目に着いてから、頭痛薬(ナロンエース)を飲みましたが、薬の効果か気圧が高まったおかげなのかわかりませんが、シャトルバスに乗って、富士スバルラインの麓の駐車場に着く頃には痛みもさっぱりと消え、さわやかな気分にもどりました。
※警告 頭痛が高山病に起因するものの場合、鎮静剤を含む頭痛薬を服用したり、睡眠薬を服用すると呼吸が浅くなることから、頭痛を悪化させる恐れがあります。(詳しくは、日本旅行医学会
Acetazolamideアセタゾラミド(商品名 Diamoxダイアモックス)
などの」キーワードで調べることをお勧めします。)
※ 鎮静剤(呼吸が浅くなるのでやばい)
≠
鎮痛剤(痛みを和らげる) 字が似ていますが、作用が大きく異なります。
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【おまけ】
山頂(当日の気圧は647.4hPa)で飲み干した500ミリのペットボトルの蓋をギュッと閉め、家(当日の気圧
1007.1hPa)まで持ち帰ったものです。気圧の差でペットボトルがペチャンコにつぶれています。
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平地に比べて山頂では、数値的には 64.3%
の酸素分圧があることになっていますが、ペチャンコにつぶれたペットボトルを見ることで、こんなにも気圧に差があるもんなんだと、あらためて思い知らされました。
空気(酸素分圧)がこんなにも低いなら、頭痛にもなるわな、こりゃ。
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