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春の味覚「たけのこのゆで方」
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タケノコ堀についてテレビ番組を見たり、人に聞いたりすると、必ずと言っていいほど、地表に出ていないようなものを探し当てることを勧められます。そのようなタケノコを掘り当ててみると、親指を一回り大きくした程度のホントにちっちゃいタケノコだったりしますが、労力の割りに得られる効果は薄く、食べられる部分もわずかであり喜びもしぼんでしまいがちです。
一方、お店で市販されているものは、立派なものも多く、そのようなサイズをお目当てにタケノコ堀をしていくと、地面から15cm〜20cmほど出ているものということがわかりました。市販されている大きなタケノコは、見栄えがあるということで、消費者向けするだけなのか!?という疑問もあったので、地表に顔を出す前のタケノコならではの特徴を探すべく、ミニミニタケノコを掘り当て、それを竹林でそのまま刺身として試食してみました。
その結果は?というと、「えぐい」ものにあたる確率が60%越え。地面に隠れているようなミニミニタケノコであってもえぐみがあるなら、労力との兼ね合いも考え、やっぱり見栄え優先でしょう!ということで、お目当ては全て地面から15cm〜20cmほど出ているタケノコに絞り、セッセコと掘り出しました。
掘り出したタケノコは、ゆでるまで時間をおいてしまうと、どんどんえぐみ成分のシュウ酸が増えてしまうため、一刻を争うごとくゆで上げてしまいましょう。
基本的な材料
掘りたてのたけのこ |
生ぬか たっぷり一握り |
お好みで唐辛子 1〜2本 |
鍋にたっぷりの「水」 |
Let’s start!
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作り方 |
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1 |
【たけのこ堀り】
タケノコを掘ってくるか、お店で買うかして春の味覚のタケノコを調達します。
タケノコ堀のページはこちら
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【調理】
掘り出したタケノコをゆでる前の下ごしらえをします。まず泥を水洗いする前に、スコップやクワで掘り出す時に痛めた部分を包丁で切り落とし、外側のタケノコの皮を2〜3枚はぎ取ります。
泥はこの前処理でほとんどなくなるはずですが、念のため、ここで水洗いします。
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3 |
【火が通りやすいように切れ目を入れる】
先端部分を写真のように斜めにカットして、切り落として捨てます。タケノコは転がりやすいので、切る際には包丁の扱いに注意しましょう。
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4 |
ゆでる際に中まで火が通りやすいように、切れ目を入れます。
項番12の写真を見るとわかりやすいの見て下さい。ゆであがりは、内側にいくほど山状にとんがった形になります。切れ目としても、このできあがりの形をイメージして、写真のとおり斜めに切れ目を入れておきます。
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5 |
反対側も同じように、斜めに切れ目を入れておきます。
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6 |
【ゆで上げる】 大きめの鍋を用意し、下処理をした皮付きのタケノコと、たっぷりの水を入れて加熱します。
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ゆでる際には、一握りのぬかを入れるようにします。ぬかには、タケノコに含まれるシュウ酸というえぐみ成分を否水溶性のシュウ酸カルシウムに変化させ、えぐみを感じさせないようにする働きがあるためです。
唐辛子にはぬか臭さを抜く作用があるため、唐辛子1〜2本を入れる方もいるようです。お好みでどうぞ。
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8 |
沸騰してから40〜50分程度、中火〜弱火で加熱します。ぬかが入っているので、吹きこぼれやすいので、注意しましょう。適宜、お湯を追加します。 ゆであがりの確認は、タケノコの根本に竹串を刺し、なめらかにスーッと通ればゆであがりです。
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9 |
加熱が終わったら、そのままゆで汁に浸けたたままフタをして、冷めるまで待ちます。
ひと肌まで冷めたら、ぬかを軽く水洗いして落とします。
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赤や紫色の根っこになる部分がブツブツと付いている箇所は、ゆであがっても固めの場合があるため、気になるようだったら、そぎ落とします。
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下処理の際に入れておいた切れ目に指をグイッと入れ、タケノコの皮を束でつかみ、3〜4枚をいっぺんに剥きます。
もちろん一枚ずつ剥くこともできますが、数枚をいっぺんに剥くことで、剥いた部分がキレイな段差になり、見栄えがよい仕上がりになります。
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12 |
できあがりのゆであがりタケノコです。
すぐに調理しない分は、水を張ったボールに浸しておくと、灰色に変色することを低減できます。
水は毎日置き換え、1週間を目安に使い切るようにしましょう。
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項番11でいっぺんに剥いた部分には、やわらかい可食部分(穂先の柔らかい「姫皮」と呼ばれる部分)もいっしょくたに剥けてしまっています。この先端の姫皮部分には、おいしそうなやわらかい可食部分がもったいないくらいに付いてます。
さて!? これをどうするか、ですが。。。
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14 |
まずは、醤油をかけて刺身っぽく食べてみます。おいしいです。
竹林で、堀りたての生のタケノコを刺身と称して食べましたが、3本に2本は、強いえぐみがあり、口にしたことを後悔するようなシロモノでしたが、このゆでたてタケノコの先端部分は、間違いなくおいしいです。
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今回、家内が調理してくれたタケノコ料理を一例としてご紹介すると。
タケノコご飯、そしてタケノコピラフ。えっ、どこが違うの!?というなかれ。ピラフには、イカやホタテ、海老などの海鮮素材が混ぜ込まれており、バター味で調味してあります。うまっ!!
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次に、タケノコ入りのパスタ。
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そして春巻き。
他にも酢の物や、何やかんやと、タケノコは活躍してくれました。感謝。
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ここでのこつ
※1 【春の味覚のタケノコを調達】
タケノコ堀りでは地面からあまり出ていないモノを推奨する方が多いようですが、そのようなタケノコは、可食部分としてのたべられる部分がほんのわずかです。やっぱり、満足いくまで食べたいと思ったら、お店で販売されているような30cmくらいのものでないとネ。そうなると、地面から15cm〜20cmくらいでているくらいのものを狙って掘り出すことをお勧めします。
またタケノコは、地面の中では「親の根っこ」から「節毎」に「左右」に生えてきます。地面の中で何かにあたったら、それは「親の根っこ」の可能性が大きいので、スコップを入れる角度を変え、決して「親の根っこ」を傷つけないようにします。
※2 【水洗いします】
泥で水道をつまらせないよう、洗い落とした水はボールなどで受け、ボールの底に沈んだ泥は地面に戻すようにするといいでしょう。
※3 【切り落として捨てます】
この切り落とした断面があることで、お湯に接する面積が増え、効率的に加熱できるようになります。
※4 【皮付きのタケノコ】
ぬかと同じシュウ酸のえぐみを抜く働きがタケノコの皮にもあるため、一緒に湯がくわけです。
ちなみにシュウ酸とは、フキやワラビなどの山菜類にも含まれる「灰汁」と呼ばれる成分で、水溶性の有機酸の一種です。特にほうれん草を食べた際にえぐみとして感じた方は多いのではないでしょうか。
このシュウ酸を含む食品ばかりを偏って食べていると、このシュウ酸が体内でカルシウムや鉄分と結合して、結石の原因になるともいわれています。ただし、これらの食品を食べる際に、カルシウムを含む食品(小魚、牛乳等)を合わせて食べるようにすることで、非水溶性の「シュウ酸カルシウム」となり、体内に吸収されることなく、排泄されるようになるようです。
中には、『タケノコの皮を全て剥いた上で、縦にまっぷたつに切り分ける方法』も紹介する方がいます。
その方法では、タケノコが直接ぬかの入ったゆで汁に接触するため、いろんな成分がゆで汁に溶け出しやすくなります。溶け出す成分の1つが灰汁(アク)としてのえぐみ(シュウ酸)、そしてもう1つがうまみ成分です。すなわち、うまみ成分が溶け出してしまう犠牲を払う代わりに、確実にえぐみをとる方法と理解すればいいでしょう。
※5 【ゆで汁に浸けたたままフタをして、冷めるまで待ち】
えぐみを抜くため、冷めす間もそのままゆで汁に浸けたままにしておきます。
堀りたてのタケノコですと、まだシュウ酸のえぐみ自体がそもそもない場合があり、そのようなタケノコははゆで汁からだすことができるようですが、判断に苦しむ場合は、ゆで汁に浸けたまま冷めるまで待つことをお勧めします。