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ワインを酢酸発酵「ワインビネガー」
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未完成のため、暫定公開版(β版)です。
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くだものが腐ると空気中の酵母菌の働きによってアルコール臭がする場合があります。アルコール臭がしたくだものをそのまま放置し続けると、次には空気中の酢酸菌の働きによって酸っぱいにおいに変わってきます。「酢」になったわけです。
ところが市販のお酒の保存を誤って、空気中にさらしてもすぐに酢になるわけではありません。これは、酸化防止のための亜硫酸塩が添加されているためです。
ワインビネガー800cc分の基本的な材料
予備発酵用(スターター) |
100%ぶどうジュース 150cc |
砂糖 20g |
ぶどう1房分の皮または、パン用ドライイースト小さじ1 |
レモン 半分 |
本発酵用 |
100%ぶどうジュース 650cc |
レモン 半分 |
砂糖 20g |
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用意しておきたい器具
コップ |
サランラップ |
じょうご |
澱引き用1リットルのボトル |
酢酸発酵用広口瓶 |
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Let’s start!
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作り方 |
写真 |
1 |
【予備発酵の開始】 (醸造開始1日目) ぶどうについている天然酵母を洗い流してしまわないように、ぶどうを手早くさっと水洗いし、水気を振り落とします。ぶどうの皮をむき、実は食べてしまいましょう。当然ぶどうの実を絞ってジュースにしてもいいわけですが、貧乏性の私は、実は食べることにして、割安な100%天然果汁のぶどうジュースを利用します。
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2 |
きれいに洗ったコップに予備発酵用のぶどうジュースと砂糖、レモンをいれて混ぜ合わせ、ぶどうの皮を入れます。 |
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3 |
ふたをして常温の部屋で真夏の場合には1日、冬の場合には3〜5日間発酵させます。これが発酵のスターターになります。 |
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4 |
【本発酵の開始】 (真夏:醸造開始2日目
冬:醸造開始5日目) スターターは発酵しているでしょうか? もしふたを開けたときにプシュッという空気が逃げる音がしたならば、うまくできています。真夏ならあと一日、冬ならあと2日待ってから次の工程に移りましょう。
もしなにも音がしなければもう少し待ってみます。何日経ってもプシュッという音がしなかったり、液の表面にしろいカビが生えて、くさい臭いがしてきたら残念ですが失敗です。捨てるしかありません。
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5 |
(真夏:醸造開始3日目
冬:醸造開始7日目) 1リットル程度の瓶をきれいに洗い本発酵用のレモンの絞り汁と砂糖、ぶどうジュースを入れます。ここにざるで濾しながら、4で用意したスターターの液だけを静かに流し込み、攪拌します。
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6
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サランラップで蓋をして輪ゴムで留め、常温で発酵させます。 真夏であれば翌日には酵母菌の発酵によって炭酸ガスが盛んに吐き出してきます。このとき瓶の中で小さな炭酸ガスがはじけ、ぶどうジュースの飛沫となって瓶を垂れてくることがあります。そこで、ボトルは皿かタッパーなどの中に置いておくようにします。
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7 |
【酢酸発酵の開始】 (真夏:醸造開始5日目
冬:醸造開始14日目) 本発酵を終えた酵母が沈殿してきますので、きれいに洗った別の広口瓶へ上澄み液だけを静かに傾けて移し替えます(澱引きといいます)。この頃は一般にいうスパークリングワインになっています。
※警告!! 酒税法違反にならないように気を付けましょう
サランラップの蓋の状態のまま冷蔵庫に入れて冷やすと、発酵が停滞して炭酸ガスの出方が鈍り始めます。再度澱引きをしてから、スクリューキャップ等の密閉できる蓋に交換し、一日くらい待つとスパークリングワインになってしまいます。炭酸ガスが充満しすぎてボトル内の圧力が高くなりすぎると爆発の危険性もあります。日本ではお酒の醸造は酒税法で禁止されています。お酒を造ったりしてしまうことのないように、くれぐれも気を付けましょう! (@_@)/
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8 |
広口瓶のふたは密閉せず、できるだけ空気の出入りができるようにさらし布などで覆い、周囲からハエなどが侵入しないように輪ゴムで縛ります。瓶に光が射すと鮮やかなワインレッドが薄れてしまうので、瓶の周りをアルミホイルなどで包み込んでおきます。ただし、さらし布の部分だけは空気に触れるようにしておいてください。酢酸菌が飛び込んで来ないと酢酸発酵ができません。 |
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9 |
(暑い季節:醸造開始10日目
寒い季節:醸造開始1ヶ月目) 発酵途中の液体の表面です。びっくり仰天。あわ泡アワ! 菌糸がべっとり… w(゚o゚)w
OH! これでほんとに大丈夫なのかな、、という状態です。
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10 |
(暑い季節:醸造開始1ヶ月目
寒い季節:醸造開始3ヶ月目) うまくいけばプンと鼻をつく酸っぱいにおいがし始めているかもしれません。酸味をだす発酵としては、乳酸発酵と酢酸発酵がありますが、今回期待している酢酸発酵は、加熱をするとかなりきつい酸味を感じるはずです。少量をとってあたためてみましょう。また、表面に薄い膜ができていれば、それは酢酸膜かもしれません。これは酢酸菌の集合体で、酢づくりのタネになるものです。
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ここでの「こつ」
※1 【ぶどうジュース】
ワインビネガー造りに適したぶどうジュースとして、カルピス株式会社が販売している濃縮果汁還元果汁100%ぶどうジュース、Welch’s
GRAPE(ウェルチグレープ)がお勧めです。このジュースは瓶に入っていて、スクリューキャップを採用しているおり、蓋を開け閉めすることができるし、瓶に模様が入っていてきれいだというのが、その理由です。800cc入りで300円前後です。
※2 【砂糖】
元気な酵母菌を増やすために、酵母菌の「えさ」である砂糖を加えます。ただし、砂糖を増やしたからといって単純に酵母菌が増えるわけではありません。酵母菌は無酸素呼吸をするときにアルコール成分を生成するのですが、この自らが作り出したアルコール分によって自己の繁殖が抑制されます。また、砂糖漬けのように糖度が高すぎても酵母菌は繁殖することができなくなります。おおかまに糖度とアルコール度数の関係を紹介すると、通常くだものには10度の糖分が含まれており、100ccの果汁には10gの糖分があることになります。この100ccの果汁に20g(20度)の糖分を加えると、10度+20度=30度の糖度になります。糖度30度の液体がアルコールに変わると、ほぼ半分の15度になります。予備発酵時に加える糖分は、酵母に元気をつけるためにやや多めになりますが、酢づくりには酢酸菌が繁殖しやすい5〜6度という低めのアルコール度数が求められるため、本発酵の過程での糖分の添加は少な目になります。
※3 【レモン】
レモンの絞り汁を加えることによって、ぶどうジュースを酸性に変え雑菌の繁殖を抑えることができます。また、風味を与えるという意味もあります。
※4 【ぶどうの皮】
ぶどうの皮には、天然酵母がたくさんついています。ぶどうの皮に白く付着しているものは、多くは農薬ではなく、天然酵母です。このぶどうの皮についている天然酵母を培養して、アルコール発酵させます。もしぶどうがないような季節だとか、確実にアルコール発酵させたいといった場合には、パン用のドライイーストなどを加えるといいでしょう。
※5 【ふたをして】
酵母菌による発酵は、アルコール発酵です。アルコール発酵は糖分を分解して、二酸化炭素とアルコールを生成する反応であり、生成された二酸化炭素が瓶に充満します。もし正常にアルコール発酵すれば、ふたを開けたときにプシュッという空気が抜ける音がするはずです。
※6 【サランラップで蓋をして輪ゴムで留め】
予備発酵ではふたをしましたが、本発酵ではふたはしません。これは本発酵では生成される二酸化炭素の量が早く、気づくのが遅れると、瓶の内部圧力が高くなりすぎることがあるためです。私自身瓶を爆発させたことはありませんが、万一を考えて、ふたとしてはサランラップ程度のもので覆うだけにします。
※7 【発酵のスターター】
スターターは酵母の活性度が低い間に雑菌が繁殖するのを防ぐ目的で作るものです。発酵初期には酵母には元気がなく、また酵母の菌数が少ないといった状況にあるわけですが、スターターという少量のぶどうジュースの中に比較的高濃度の酵母を入れ込むことで、雑菌が繁殖するまえに酵母が優勢になる環境を作りやすくします。酵母が優性になると、酵母が生み出すアルコール分によって雑菌を滅菌し、雑菌の繁殖を抑えることができます。
※8 【澱引き】
元の発酵容器の底に沈んでいるもの(澱)は、酵母のかたまりです。100ccの水に20gの砂糖を溶かした砂糖水で培養すればパン焼きにも使えます。
※9 【警告】
注意喚起です。手作り食品のなかでも発酵食品は、器具や器具を扱う手などに雑菌がついていると思わぬ事故を招く場合があります。衛生には十分に気をつけて、楽しい食品づくるを心がけるようにしましょう。また、嫌な臭いがちょっとでもしたら口にするのは止め、廃棄する勇気をもちましょう。何事も自己責任の意識をもって行動してください。