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日本の主食「ご飯」
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健康診断で「血液が薄い!」と言われてから、鉄分がとれるダッチオーブンが気になり始めました。あちらこちらと見ている内に南部鉄器の魅力にはまり、ご飯も南部鉄器で炊いてみたい!!との思いがニョキニョキ。
南部鉄器は、「特定のブランドを応援しようーぉ!」のコーナーでも取り上げているごはん鍋を用意。この鍋は炊飯のときにわずかに垂れてくる煮汁を受け止めることができるので、ガスコンロを汚さずに済み、たいへん気に入っています。しかぁーし、炊飯と一口にいっても、なめたものじゃありません。これを使って炊飯した1度目は、自転車部で昔とった杵柄もみるも無惨なおこげだらけ。。。
米の産地こそ口うるさく言われる方も、計量、洗米や炊飯時間などは無頓着といったこともめずらしくないのではないでしょうか。そこでここでは初心に還ってばっちり基本を学ぶことに決めました。基本を知ることで、炊きあがったご飯を見る目も変わりますし、なにより、日本の主食を見直す良い機会になると思うのです。
ご飯の基本的な材料と器具
Let’s start!
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作り方 |
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1 |
【お米を計量】
最も大切な計量です。ここでいい加減なことをしてしまうと、後工程でいくらきちんと水を計量しても、意味がなくなってしまいます。米を計量する1合という単位は180ccです(ちなみに1カップと言えば200cc)。
参考のため、米一合の重さは、約150gで、米一升は約1.5kg、一斗は約15kg、一俵は約60kg、一石は約150kgとなります。
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2 |
【最初の洗米】
米を水で洗います。水を張ったボウルに米を入れ、手でグルッと2〜3回転ほどかき混ぜ、研がずに短時間で水を捨てます。
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3 |
【米を研ぐ】
指の腹を使い、やさしくもむようにして米をすりあわせ、10秒ほど研ぎます。
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4 |
水を加え、米からはがれたヌカを洗い流します。
(項番3と4を、3〜4回繰り返します。水がばっちり透明になるまで繰り返す必要はありません)
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5 |
【水切り】
米をザルに上げ水を切ります。2合〜5合程度なら、1〜2分です。この水切りにより、水の計量が正しくできるようになります。
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6 |
【水の計量】
体積比であれば、最初に計量した米の1.2倍の水を加えます。(重量比であれば最初に計量した米の1.4倍)
米の品種や新米/古米、自分の好みによって、1.2倍の水を基準として適宜調節します。
電子炊飯器を使う場合は、メーカの指示に従います。(項番11へ)
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7 |
【浸漬】
米の内部まで、均一に水がしみ込むように、夏場で30分、冬場には2時間ほど水に浸けます。米が均一に吸水していると、炊きあげたときに芯が残らず、ふっくらと炊けるのです。
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8 |
【炊きあげ】 鍋を強火にかけ沸騰させます。
(火力や炊飯容量にもよりますが、アルミやステンレスで約5〜6分、南部鉄器や土鍋で約6〜7分で沸騰します)
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9 |
沸騰したら中火にかえ7分
弱火にして5分。
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10 |
【蒸らし】
一瞬、10秒ほど強火にして余分な水分を飛ばし、火を止め、5〜10分ほど蒸らします。
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11 |
【できあがり】
炊きあがれば、米つぶをつぶさないように注意しながらしゃもじでご飯をほぐし、余分な水蒸気をとばします。
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12 |
【保温】
保温ジャーなどで長時間保温する場合は、4〜5時間を保温時間の限度にして、冷凍保存するなどします。この時間を超えると変色がはじまり味も低下する為です。
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ここでの「こつ」
※1 【米を水で洗います】
1番はじめの洗米は、とにかく素早く短い時間で済ませることを心がけ、米の周りに付着しているヌカを米が吸着してしまわないようにします。
※2 【米をザルに上げ水を切ります】
ザルに上げる時間が長くなりすぎると米にひび割れが生じ、炊きあげたときに米のうまみが逃げ出してしまいます。
※3 【米の1.2倍の水を加えます】
体積比であれば、1合=> 180ccあたりの米に対し、約1.2倍の210ccの水を加えます。(無洗米の場合は、研ぎ澄まされている分体積が減少しており、1合を150ccとして扱うことをお勧めしていることが多いようです。)
重量比であれば、1合=> 150g あたりの米に対し、約1.4倍の210g の水を加えます。
水は日本であれば、浄水器でろかした水道水で十分です。市販されているペットボトルの「おいしい水」等は、硬水と呼ばれる水のことが多く、炊飯には適しません。
※4 【鍋を強火にかけ沸騰させます】
湯炊きという方法もあります。これは3合以上の比較的多めに作るときの技です。ご飯を炊く量が少ないときはうまくできたとしても、炊飯量が増えるとごはんがべちゃついた部分と、比較的ぱっさりした部分になることがあります。
これはお釜の中の水温のばらつきによって、米粒が長い時間、沸騰水にさらされていた時間が長すぎたり、短いことに起因する現象です。炊飯量が多くなると、火もとの近くは沸騰までの時間が短いため、長く沸騰することになりべちゃつき気味になりますが、火もとから遠くにあるご飯の表面では沸騰までに時間がかかるため、芯が残ってしまうことになります。
このような状態になることを最小限に抑えるために、米をザルに上げている間に、まずお湯だけを沸かしておくのです。このお湯にザルに上げておいた米を入れ、しゃもじでざっと底から混ぜ、再びお湯が沸騰させるのです。あとの項番9以降は同じ作り方になります。
※5 【しゃもじでご飯をほぐし】
炊きたてのご飯は100度ありますが、保温ジャーの保温機能を使ったとしてもこれよりも低い温度になります。温度が低下するとそれまで水蒸気だった水分が水滴となり、米粒の周りに付着してべちゃつくことと、米粒どうしがくっつくことから食感が損なわれるのです。
【誉れのご紹介】
財団法人 日本規格協会様より、
「品質管理に関する教材を作成する上で、執筆者の委員より貴殿のお米の研ぎ方のページをご紹介いただきました。
http://www.ajiwai.com/otoko/make/goha_fr.htm
標準化に関する説明として適しているということで是非、手順と作り方について掲載させていただきたいと思っております。」
というご連絡を頂きました。光栄で誉れあることですので、ご紹介させていただきます。(2011.1.27追記)
【参考文献】
1.日刊?ごはん主義のすすめさんの日刊?ごはん主義のすすめ:おいしいごはんの炊き方
2.MICHI'S
BACKSTUBEさんのご飯の鍋炊き
3.ためしてガッテン:過去の放送:?にお答えします!〜切り花・コーヒー