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身体がよわったときの誤飲を避ける「おかゆ」

 NHKのためしてガッテンで『死なないためのおかゆ』をやっていました。

 おかゆで『死ぬ』って何!?という感じですが、そもそもおかゆを食べようとするシチュエーションは、病気で伏せっているとか、老齢だとかという、何がしかの点で身体が弱っていることが想定されることが多いわけです。そのような状態で期せずして喉から肺に食べ物が流れ込む、つまり誤飲が起こると、さらに重鎮な病気につながることがあるとのこと。なるほど。病から脱するためのおかゆであり、また、せっかくのおいしいおかゆでもあり、そんな事故を防ぐ方法があるのなら、知っておくべき!!

 おかゆの作り方は、京都の老舗の料亭「瓢亭」で提供されている手順で、『混ぜながら炊く』という常識を覆す方法なのでさらに驚き! この方法だと、お米の1粒1粒の表面がでんぷんの層で覆われるので、食べている途中でサラサラ⇒ドロドロといった変化がでにくいという。一度お試しあれ。


おかゆ1〜2人前の基本的な材料と器具

お米 0.5合 炊飯用の水 500cc + 途中で追加する湯100c

Let’s start!

作り方  
【お米を研ぐ】

 お米を研ぎます

【水切り】

 研いだお米は、米の内部まで均一に水がしみ込むように、夏場で30分、冬場には2時間ほど水に浸けます。

 水に浸した米は、ザルに上げておきます。

 炊飯用の水を鍋に入れ蓋をして、沸騰させます。

 後で蒸らしの時間があるので、予熱の意味を兼ねて、蓋をして温めておきます

 水が沸騰したら、ザルに上げておいた米を一気に入れ、強火で加熱します。

 炊きあげ時間は15分ですので、時間の計測を開始しておきます。

【さっと混ぜる 1回目】

 沸騰した湯に入れた米は、すぐに1〜2回転ほど混ぜ合わせます。

【さっと混ぜる 2回目】

 沸騰するまでの間で、一度さっと混ぜ合わせておきます。

【さっと混ぜる 3回目】

 沸騰したら、さっと混ぜ合わせ中火に変えます。

【加水】

 炊き始めから11分後に、100ccの湯を追加します。

【さっと混ぜる 4回目】

 さっと混ぜ合わせます。

10 【蒸らし】

 炊き始めから15分後に、さっと混ぜ合わせてから蓋をして、火を消して5分程度の蒸らしをします。

11  おかゆのできあがりです。
12  小分け用の容器に取り分けていただきましょう。
     

ここでの「こつ」

※1【喉から肺に食べ物が流れ込む、つまり誤飲
 喉には、肺にたべものを流れ込ませないしくみがあります。しかし年を取ると共にそのしくみの機能が低下している人がおり、誤飲につながります。特にサラサラ成分とお米の粒状の成分が混在するようなおかゆでは、口の中にお米の粒状の成分が残っている間にもサラサラ成分がのどに流れ込むような状態となり、それが誤飲となります。食べ物として菌が少ないものでも、口の中の雑菌が食べ物と混ざって誤飲することになるので、肺炎を引き起こす要因となりうるわけです。
 そこでおかゆに求められる要件は、サラサラ成分を含まないおかゆに仕上げる事になります。

※2 お米を研ぎます
 1. 米を計量し、水を張ったボウルに米を入れ、手でグルッと2〜3回転ほどかき混ぜ、研がずに短時間で水を捨てます。
 2. 水を加えないまま、指の腹を使い、やさしくもむようにして米をすりあわせ、10秒ほど研ぎます。
 3. 水を加え、米からはがれたヌカを洗い流します。
  (項番2. と3. を、3〜4回繰り返します。水がばっちり透明になるまで繰り返す必要はありません) 

 【誉れのご紹介】
   財団法人 日本規格協会様より、
  「品質管理に関する教材を作成する上で、執筆者の委員より貴殿のお米の研ぎ方のページをご紹介いただきました。
   http://www.ajiwai.com/otoko/make/goha_fr.htm
   標準化に関する説明として適しているということで是非、手順と作り方について掲載させていただきたいと思っております。」
   
というご連絡を頂きました。光栄で誉れあることですので、ご紹介させていただきます。(2011.1.27)

※3 【沸騰したら、ザルに上げておいた米を一気に入れ
 沸騰した湯に米を入れると、米の外側のでんぷんに火がとおって糊化が起こり、でんぷんの壁を形成します。このでんぷんの壁が米粒の内側のでんぷんが溶け出すのを抑制します。この効果により、食べ始めから食べ終わりまでの間で、米粒が水分を吸ってしまうことに伴う味わいの変化を軽減します。

※4 【1〜2回転ほど混ぜ合わせ
 混ぜ合わせずに調理を継続すると、鍋の中で、米、即ち「でんぷんの層」と、上澄み、即ち「水の層」の2層を形成します。でんぷんの層では、水分が不足することになり、食べ始めた際に急激に水分を吸水するため、食べ始めと食べ終わりで、食感に大きな差が生じます。混ぜ合わせながら調理することで、あらかじめ吸水がすすむため、食べ始めと食べ終わりの食感に差が生じにくくなるのです。
 しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしであり、混ぜすぎると米粒がつぶれてしまい、粘りにつながってしまうとのこと。要注意です。

【参考文献】
 1.NHK ためしてガッテン 門外不出!料亭おかゆ 秘技・奥義一挙大公開
   ためしてガッテンが模範にしたのは、「京都南禅寺畔-瓢亭」。 一度行ってみたい!


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